好奇心 織田作之助

今日は織田作之助の「好奇心」を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
 
 
これは1分で読める掌編小説です。詩よりも短いショートショートなんですけど、ちょっとおもしろかったです。オチがすてきでした。「好奇心の病気!」というのがなんか忘れがたいセリフでした。1946(昭和21)年10月というのが、こういうふうに活写されるのかと。ぶつ切れというか細切れになった言葉が逆にリアルだなと思いました。
 
 

 
 
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畜犬談 太宰治

今日は太宰治の「畜犬談」を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
 
 
今、アメリカのメディアや人々が、過去の歴史に無いほどの人数と勢いで大統領批判を徹底的に行っているところで、なんだかすごい時代だと思うんですけど、今日は太宰治の短編を紹介します。
 
 
太宰治が、放し飼いの犬の凶暴さについて描いているんですけど、多少大げさに書いているんだろうとは思うんですけど、1939年当時の世相や衛生環境がうかがえてなんだかおもしろい小説でした。太宰は随筆なのか小説なのか判らないところを描く天才だと思うんですけど、犬に噛まれた友人が狂犬病に感染したんではないかと恐怖するさまを描きだすところが、鮮やかな描写なんです。
 
 
犬を飼っていたのでよく判るんですけど、たいていの犬はおびえている人とか、緊張している人にものすごく攻撃するんですよ。強気な人間には絶対に噛み付かないんです。まあ訓練された犬はまた別なんですけど、野良に近い犬はたいていそうなんです。そこのところの犬の心理を、詳らかに書いています。
 
 
当時は、のら猫天国とオオカミの群れを足して2で割ったような、荒々しい野良犬の社会があったようです。人々も戦中の不況に巻きこまれて、野良犬たちの一触即発のような雰囲気が漂っている。
 
 
興奮して同じ接続詞を2回くり返して書いていて、文体が乱れている箇所があるんですけど、これはわざと素人くさい文を書くことで、臨場感が出ているんでは無かろうかと思いました。闘わねばならぬという世相が乗り移ったような感情の描写が印象深かったです。
 
 
最後まで読むと、太宰が100年間読みつがれるわけだと思いました。不意のオチに驚く短編なんです。最近、文章で1939年を旅してみるというのを今やっているところなんですけど、これが、1939年か! と思う作品でした。
 
 

 
 
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被尾行者 小酒井不木

今日は小酒井不木「被尾行者」を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
 
 
小酒井不木こさかいふぼくが気になるので、また読んでみました。これは1929年に発表された短編小説です。少年向きなんです、少年向き。1929年って意外と西洋化されていた時代なんだなと知ってビックリしました。なんだか少し星新一の作品に似ている気がするんです。ちょっと昔に書かれた小説だと言われても、通用しそうなくらい現代的に書いています。
 
 
勤め先の宝石を盗んで質屋に入れてしまった男が、探偵に尾行されている……。ぼくはあの、会社の金をほんとに使い込んでしまった人をじっさいに見たことがあるんですが、その空恐ろしい感じを、小説に描きだしています。
 
 
この文章が印象に残りました。
 
  
  清三は罪を犯したものの心理をいま、はっきり味わうことが出来た。僅な罪でさえこれであるのに、人殺しでもしたら、どんなに苦しいのか、きっと自分ならば…………
 
 
加害者としての苦悩は、とうてい耐えられない、と主人公は思うのでありました。
 
 

 
 
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按摩 小酒井不木

今日は小酒井不木の「按摩」を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
 
 
小酒井不木は、江戸川乱歩のデビュー作をはじめて紹介し、乱歩のデビューに尽力した作家なんだそうです。wikiにはこう書いています
 
 
これすっごい読ませる話なんですけど、なんというか一流作家には描けない、怨念とか祟りのところを、詳らかに書いている、という感じというんでしょうか。怖い物見たさで読み終えてしまったというか、不気味な描写に引き込まれる短編でした。
 
 

 
 
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恥 太宰治

今日は太宰治の「恥」を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
 
 
これは太宰治が、ある女性の心理を詳らかに描いていった短編小説です。あのー、ゲーテがこういうことを書いているんです。
 
 
  若者よ、精神と感覚ののびるうちに、心せよ、芸術の神は君の道づれにはなるが、君を導くことはできないことを。
 
 
ゲーテの指摘していることが、太宰の作品にまさにあてはまるんだと思います。この「恥」という小説は、ある無名の女性が、一人の小説家にファンレターを書いた、そのいきさつを描いているんですけど、文体が独白で、言葉に勢いがあって、するすると読める名作です。
 
 
ある箇所が、驚くほどこう、引っかかってくるんですよ。文章自体は読みやすいんですけど、けっして素通りさせないというのか、そのなんと言うんでしょうか。ほんとに、「あっ」と思わせて、忘れがたい印象を刻みつけるというか、時代を超える文学者だなという……。迫力がありすぎて紹介さえできないんです。
 
 
細部までこう、堪能できる名作だと思いました。作中に出てくる「不一」という言葉は、こういう意味です。
 
 

 
 
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漁師 フィオナ・マクラウド

今日はフィオナ・マクラウドの「漁師」を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
 
 
これは、ケルト幻想作品集『かなしき女王』という小説集のなかの一篇です。作家名フィオナ・マクラウド、本名ウィリアムシャープは、1855年生まれのスコットランドの小説家です。あのー、男として本名でも作品や評論を発表しつつ、女性作家としてこのケルト民話を創作した、謎の作家らしいです。
 
 
ある、年老いたおばあさんが、娘に、印象深い思い出を語ります。ヤソ・マック・アン・テイルという旅をする漁師と出会った思い出です。おばあさんは、旅の漁師にこう語りかけたのです。本文に、こう書いています。
 
  ミルクを一杯あがって、もしくたびれておいでなさるなら、休んで行って下さいまし、わたしはそう言って見たのだよ。
  ありがとう、そう言って下さるだけで、休ませて頂いたりミルクを飲ましていただいたも同じことです。わたしはこの河の流れについて行くんです、その人がそう言うんだよ。
  魚をとりなさるんですか? わたしが訊くと、
  わたしは漁師です、その人が悲しそうな小声で言ったよ。
 
 
おばあさんは、家が無いのなら泊まってゆきなさいと提案したのですが、旅の漁師は、一人で遠くへ行ってしまった。その後、ずいぶんたってから……。さいご、この旅の漁師は、とても不思議なことを言います。ケルト幻想民話を初体験しました。謎の短編小説でした。
 
 

 
 
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ア、秋 太宰治

今日は太宰治の「ア、秋」を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
 
 
これちょっとすごいんですよ。リアルのものがなによりも驚かせると思うんですけど、太宰治は、私小説よりもなんだかギョッとさせるモノがあると思います。写真家の方法に近いのかもしれません。現実にあるところをひょっと引っぱってきて、そこに詩をつくるんです。蝶の描写に、迫力がありすぎました。
 
 
太宰治が、自分の記した過去の文章と、対話をしているところを、掌編小説にしている作品です。《創作ノートにメモをしている、ちょっと昔の太宰治》と、今まさに短編を書いている太宰治が2人でなにか掛け合いをしている。
 
 
太宰治創作ノオトというのが、箇条書きで、本人もやや意味が見とおせない。その掛け合いの中から、とつじょ「秋ハ夏ト同時ニヤッテ来ル。」とか、「秋の海水浴場に行ってみたことがありますか。」という読者への問いかけが飛びだしてきて、ギョッとしました。二人の太宰治が、話し合っているみたような、奇妙な短編でした。
 
 
本文に、こう書いてありました。
 
 
  ……
  ……なんだか意味がよくわからぬが、秋の会話を盗み聞きして、そのまま書きとめて置いたものらしい。
  また、こんなのも、ある。
  芸術家ハ、イツモ、弱者ノ友デアッタはずナノニ。
 
 
…………


 
 
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