ニャルラトホテプ H・P・ラヴクラフト

今日はH・P・ラヴクラフトの「ニャルラトホテプ」を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
 
 
ラヴクラフトは、恐怖小説だけを書いた特殊な作家なんですけど、なんだかとにかくすごいんです……。子どもの頃、これを古本屋で見つけて買って、夢中で読んでいました。ごく一般的な恐怖小説とはぜんぜんちがう不気味さを描きだすんですよ。ほんとに、見たこと無い描写をする作家で、なんとも言えない魅力がある怪談を描きだします。
 
 
ところで、ニャルラトホテプというのは、こういうわけのワカランやつです。
 
 
ラヴクラフトは恐怖の対象に対してこう、撃退しようというような表現をしていないんですよ。人間の計画や思惑や未来予想図が、ことごとく巨大な暗黒宇宙の如き恐怖によって無効化されてしまう。無力で無能な人間になってしまう。そういう展開が、こう、現代社会で起きる不合理と共鳴しているような気がするんです。
 
 
H・P・ラヴクラフトは、絶対的恐怖があって、それに抗いよう無くのみこまれてゆく人間の抱く、暗い心情を描きだしているんです……。ラヴクラフトは、こう記します。
 
 
  ニャルラトホテプ……這い寄る混沌……残ったのはもうわたしだけ……この何もない空を聞き手にして、お話ししようと思います。
 
 

 
 
こちらのリンクから全文読めます。(縦書きブラウザの使い方はこちら
http://akarinohon.com/center/nyarlathotep.html
(約10頁 / ロード時間約30秒)
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幻の人力車 キップリング

今日はキップリングの「幻の人力車」を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
 
 
インド生まれのキップリングという、イギリス人作家が、怪談を書いたのがこの「幻の人力車」です。インドで生きるイギリス人たち、というところから話しが始まり、パンセイという男が見た悪夢のことが描かれます。難解な文学作品によくある、初めの5ページだけ読みにくいんですけど、しばらく読んでいると事情が判ってきてすごく引き込まれる作品でした。
 
 
キップリングは世界的に有名な作家なんですけれども、岡本綺堂が翻訳した文体がほんとにこう、知的だなあーと、腕組みしながら読みました。ストーリーの中の、ちょっとした一文がこう、印象深いんですよ。本文にこう書いています。
 
 
  実際、小さな子供が悪い言葉を一つ新しく教わると、扉にそれをいたずら書きをするまでは満足ができないものである。これもまた一種の文学である。
 
 
こんな文章、思いつかない! と唸りながら読みすすめました。悪童のままで成長したような男が、二人の女と同時に恋愛する。つまり不倫をした。ある時、一人の女にひどいことをやってしまい、女は悲運のなかで病没してしまった。そこから、彼女が乗っていた人力車が…………。続きは本文をご覧ください。キップリングはこう記します。 
 
 
  私の心には、理不尽な幽霊に対してなんとなく反抗の出来ないような、頼りない、さびしい感じが起こってきた。この世の中には、自分のしたことに対する罰として死の運命を宣告された私よりも、もっと不幸な人間が少しはいるであろうから、そういう人たちと一緒ならばまだ気が強いが、たった独りでこんなに残酷な運命のもとにいるのはあまりに無慈悲だと思った。
 
 
迫力のある物語でした。
 
 

 
 
こちらのリンクから全文読めます。(縦書きブラウザの使い方はこちら
http://akarinohon.com/center/maboroshino_jinrikisha.html
(約30頁 / ロード時間約30秒)
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おしらせ
数日間ほど外出中で、更新がややとどこおっております。
 
 




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メデューサの首 小酒井不木

今日は小酒井不木の「メデューサの首」を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
 
 
今回のはかなりこう、怖気のする怪談なんです。なぜ2016年というこの年に、小酒井不木を読むのかと、ひどいチョイスのような気がしてならないんですが、この作家が気になりすぎて、また読んでみました。
 
 
娯楽小説は江戸時代に盛んだったはずで、しかし現代語の小説で言うと、直木三十五の1924年ごろの作品や29年〜31年あたりの作品がその始まりだと思うんですが、小酒井不木はそれよりもちょっとだけ早いですよ。3年早く、1921年(大正10)あたりから若者向けの探偵小説を書きはじめています。
 
 
小酒井不木は、ロンドンの留学中に病にかかってしまい、体調不良によって働くことが困難になって、時間が出来たので子ども向けの小説を書きはじめたようなんです。漱石に経歴がちょっとだけ似てます。不木はそれで、少年向けの推理小説をたくさん書いたそうです。この前人未踏の活動によって、結果的に後進の江戸川乱歩とかの大人気小説の数々が誕生したようですよ。小酒井不木作品は、娯楽小説の原石で、出発点なんじゃなかろうか、とか思いつつ読みました。
 
 
潔癖で恋人の居ない、独り身の女の話なんですけど、ギョッとする場面があるんですよ。不木は病によって外で働けなくなったわけですから、その病気というものにものすごいこだわりがあるようで、この描写が、ゾクゾクする不気味さを醸成しています。
 
 
不木はこの小説で、身体がいっきに汚れてしまったという恐怖を描いているんです。これが、ふわーっ、と叫びたくなるような不気味さでした。それからいちおう推理小説らしき、意外なトリックというのもあるんですよ。
 
 
結婚することの出来なかった一人者の、不気味な妄想というのが……こわかったです。自分の身体に異変が起きるという怪談が、どうしてもいま読みたいねん、という奇特なかた以外は、読まないほうが良いんじゃないかと思いました。不気味なハナシなんで。オチの一文がこう、忘れがたかったです。次回はイギリス人作家の怪談をちょっと紹介してみます。次はなかなか良いのを見つけたんです。
 
 

 
 
こちらのリンクから全文読めます。(縦書きブラウザの使い方はこちら
http://akarinohon.com/center/medusano_kubi.html
(約30頁 / ロード時間約30秒)
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恐怖について 海野十三

今日は海野十三の「恐怖について」を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
 
 
これはこわい話です。古い怪談とかだと、現代とちょっとかけ離れているのでちょうど良い怖さで好きなんですが、この本は怪談では無くて、現実の恐怖について随筆として書いているのでなんというか読み込んでいると怖くなってきます。ホラ話よりも現実のほうがぜんぜん怖いですよ。
 
 
自分が一番怖いのは、注意して車を運転しているはずなのに、物陰からとつぜん子どもが飛び出してくるというのを想像するのが非常に怖いです。自分は犯人になるつもりがまったく無かったのに、ひどいことになってしまって、どうすればいいのか判らなくなってぼう然とする、という瞬間についてイメージするのが怖いです。
 
 
海野十三は恐怖についてこう解説します。智者は惑わず、勇者は怖れずと言うけれども、どんな人でも恐怖は感じるはずで、しかしそれに負けずに正しいほうへと進んでゆくのが勇気だと言うんですよ。
 
 

 
 
こちらのリンクから全文読めます。(縦書きブラウザの使い方はこちら
http://akarinohon.com/center/kyofuni_tsuite.html
(約5頁 / ロード時間約30秒)
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金魚 豊島与志雄

 
今日は豊島与志雄の「金魚」を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。さいきんちょっと時間が無くて、あまり詳しく本を紹介できなくてすみません。これは、実話を書いた、ごく短い物語なのですが、かなり怖いです。純粋な怪談より怖いですよ。事実しか書いていないので、よりいっそう怖い。想像するだに怖い。これは完全に怪談です。りっぱな怪談です。
 
 
涼しくなると言うよりも、寒気がするというかなんというか。怪談に、するつもりがないもののほうが、かえって怖い。「まんじゅうこわい」という落語じゃ無いですが、この話はこわい。後悔先に立たずと言いますが、これは読まないほうが良いと思います。金魚を見るのが怖くなりますから。こわい話が苦手な人は、ぜひとも読まずに立ち去ってください。
 
 
ところで、この世には、絶対に読んではならない、恐ろしすぎる怪談というものがあるそうなのです。これを読むと恐ろしさのあまり血の気が引いて、寒気でガタガタと震えてそのまま震えが止まらず、深夜に冷え切って死んでしまう、という怪談があるんです。ほんとうですよ。それは「牛の首」という題名の怪談なのだそうです。こちらのリンク先でその話を読めますが、「牛の首」は、最後まで読んではいけない。ぜったいに、最後まで読んではならない。
   
 


こちらのリンクから全文読めます。(縦書きブラウザの使い方はこちら
http://akarinohon.com/center/toyosima_kingyo.html
(約10頁 / ロード時間約30秒)
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河童 芥川龍之介

今日は芥川龍之介の「河童」を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
 
 
芥川龍之介はおもに中国の古典から物語を引用して小説にしてきた作家です。現代中国ではどんな映画や物語を作っているのかというと、ぼくが理解した範囲では、おもに2つあると思うんです。孔子や法家を中心とした戦国絵巻。それと、老子や荘子を中心とした、無為自然や逆説の物語。この小説は明らかに荘子の思想が色濃いお話しだと思います。

荘子ってご存じでしょうか。世俗を離れて無為自然に遊ぶことを推奨する思想家です。荘子の話は、逆説が多くておもしろいんですよ。常識だと思っていることを、荘子は「そうじゃないんだよ」と説いちゃう。
 
 
僕は荘子が好きで。水木しげるの「河童の三平」も、この荘子という思想家と共通項が多いと思います。芥川龍之介の「河童」が好きなら、きっと水木しげるの「河童の三平」も好きだと思います。たぶん。
 
河童の三平 水木しげる

http://www.amazon.co.jp/河童の三平-ちくま文庫-水木-しげる/dp/4480022384

 
 
 


こちらのリンクから全文読めます。(縦書きブラウザの使い方はこちら
http://akarinohon.com/center/kappa.html
(約130頁 / ロード時間約30秒)
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耳無芳一の話 小泉八雲



今日は小泉八雲(ラフカディオハーン)の『耳無芳一の話』を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。この写真は、小泉八雲が暮らした家です。
このイスに座りながら、小泉八雲は数々の怪談を書いたのです。

この写真はずいぶんまえに山陰旅行に出かけて、小泉八雲の暮らした家に立ち寄った時に撮ったものなんです。このイスにラフカディオハーンが座って、原稿を書いていたんですよ。


ハーンはギリシャ、英国、アメリカ、日本と、さまざまな地へ行き、ここに落ち着いたんです。ギリシャ生まれのイギリス人にとってこの部屋はいったいどのように感じられたのでしょうか。


『耳無芳一の話』は、目の見えない琵琶法師が怪物に取り憑かれ、すんでのところでこの怪物を追い払う、という物語です。


すんでのところで、難を逃れる。この、『すんでのところで』という表現がすごく上手いんです。ぜひ読んでみてください。







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http://akarinohon.com/center/miminashi_hoichi.html (約15頁 / ロード時間約30秒)







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