なよたけ 加藤道夫

今日は加藤道夫の「なよたけ」を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
 
 
えーっと、新しい竹取物語の映画がもうすぐ公開されるそうなので、たいへんにミーハーですみませんが、明かりの本でも竹取物語のお話を用意してみました。レイトショーで、この映画を見にいってみようと思っているところです。「竹取物語」はすでに1回紹介してしまっているんですが、今回は2作分を紹介してみます。竹取物語は日本でいちばん古い昔話で、これより前には仮名でかかれた物語は残されていないそうです。
 
 
竹取物語をほぼ原形に近い状態で現代語に書き直したのが、「和田萬吉の竹取物語」です。
 
 
それで、もう一つのは、竹取物語がどうやって誕生したのかということを書いたのが、この「加藤道夫のなよたけ」です。作者不詳とされている竹取物語は、じつはこういう人によって書かれたんじゃないか、ということが想像して書かれています。
 
 
あの折口信夫の「死者の書」を意識して書かれたものだそうです。「なよたけ」が書かれたのは作者の大学院時代なんですよ。折口信夫の名作と比べるとどうしてもあの、説明的であの、読みにくかったです。たぶん素の脚本を文字だけで楽しむというのは、素人の自分にはむずかしすぎるんだと思います。竹の生命力を間近に見て、竹取の物語を想起してゆく主人公が描かれます。
 
 

 
 
こちらのリンクから全文読めます。(縦書きブラウザの使い方はこちら
http://akarinohon.com/center/nayotake.html
(約100頁 / ロード時間約30秒)
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それから和田萬吉の、原文に近い「竹取物語」も紹介します。やっぱり長生きした物語はすごいなと思います。今回再読してみたんですが、かぐや姫って外の世界から来た赤ん坊、だったんだけどおじいさんとおばあさんにたいせつに育てられて、みんなから愛される姫になったのかもなあ、と思いました。月の住人がやってきておじいさんに語るんですが、ここがとても印象に残りました。原文はこうです。
 
 
 今は姫の罪も消えたので迎へに来た。
 
 
古い話が好きな方は、ぜひ読んでみてください。
 
 


こちらのリンクから全文読めます。(縦書きブラウザの使い方はこちら
http://akarinohon.com/center/taketori_monogatari.html
(約60頁 / ロード時間約30秒)
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古典文学を手にとる方法

今回は知識0から古典を読んでゆく方法を幾つか紹介してみます。源氏物語を読みはじめるには、どういう方法があるかを調べてみました。


■紙の本をインターネットから買う

お金に余裕がある場合はamazon紀伊國屋書店で紙の本を買うのがやはりいちばんだと思います。本屋を検索する場合はこちらをご覧ください
 
 
■図書館を使う

カーリルというサイトで、近所の図書館でなにが借りられるかを調べることが出来ます。図書館情報はこちらをご覧ください
 
 
■電子機器で読む

iPadタブレットKndlefireHDで、本を読むという方法があります。
iPadの場合、無料ツールが3つあります。i読書kinoppykindleアプリの3つがオススメです。タブレットの場合、A・文庫kinoppykindleアプリの3つがあります。
 
パソコンを使って読書する場合は、明かりの本を使うか、えあ草子青空図書館を使うか、Ommwriterを使ってみてください。これらは、機械さえあれば、古典の読書は全て無料なんです。有名な古典が1000冊ほど読めます。

明かりの本で源氏物語を読むにはこちら。
こちらのリンクから全文読めます。(縦書きブラウザの使い方はこちら

http://akarinohon.com/center/01kiritsubo.html
(約5頁 / ロード時間約30秒)
 
 
■評伝や解説本を手に入れる

また、源氏物語などのやや難読な古典を読みはじめるには、評伝や解説本を同時に読んでいったほうが楽しく読めると思いました。朝日新聞社の「週刊 絵巻で楽しむ源氏物語」や、紫式部 人と思想や、王朝の雅 源氏物語の世界や、源氏物語 (岩波現代文庫) 大野晋著などがオススメです。大野晋氏の評論は深い内容が判りやすく記されていました。
 
 
■漫画で読んでみる

それから、古典は難しすぎてイメージが湧かないという場合は、先に漫画を読んで「だいたいなにが書いてあるか」を理解してから、原文を読んでゆくという方法があると思います。ぼくはこの漫画を読んでから、与謝野晶子訳の源氏物語を読み進めやすくなったんですよ。知識0のぼくにとっては、漫画はけっこう役に立って良いです。若い人には「本当は萌える!源氏物語」がオススメかもしれません。あとこの映画もいいかもです。
 
 
■現地へ行ってみる

源氏物語ミュージアムというのが京都駅からわずか30分くらいで行ける場所にあります。ここの図書室はかなりオススメです。
 
 
知識やお金が無くても、時間さえあれば古典をたのしむことが出来ます! 万葉集の舞台になった葛城とか、古事記の舞台となった出雲だとか、奥の細道の旅路とか、日本中にいろいろあると思います。以上です。





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古事記物語 鈴木三重吉

今日は鈴木三重吉の「古事記物語」を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
これは、日本で編纂されたいちばん古い物語です。それを鈴木三重吉が現代語訳しました。ほかにも多種多様な現代語訳が出版されています。古事記はけっこうムチャなことがいっぱい書いてあって、おもしろいんですよ。ウサギがワニたちを全員だましてさいごに裸にされてしまう話とか、そのウサギを助ける話とか。泣き放題で、わがままし放題の弟、須佐之男命(すさのおのみこと)をお姉さんである天照大神(あまてらすおおみかみ)はどうやって諭して、立派な男にするのか、とか。
 
 
古事記は最古の物語なんですが、読んでいてふつうにおもしろいです。天武天皇が命じて稗田阿礼と太安万侶がこれを、日本ではじめて文献化したということになっています。では稗田阿礼が「帝紀」や「旧辞」と言われるものをいったい誰から聞いてきてずっと暗記し続けてきたのかというと不明で、たぶん長らく狩人や農民や漁民などのあいだでずっと口伝えに継承されてきた物語が、稗田阿礼と太安万侶によって編纂され、これが日本の古典として残されてきたと考えるのが自然だと思います。古代人が生きのびるための知恵を集めて物語にしたものである、と考えられる記述が数多く残っています。たとえば、須佐之男命(すさのおのみこと)が対峙した八岐大蛇(やまたのおろち)とはいったいなにを意味するのかというと、大河が氾濫し村を襲ったという事実を、これを八岐大蛇という怪物に見立て、堤防や土嚢を作りあげて治水したという様を、勇ましい物語にしたのではないかという仮説も存在します。島根県は斐伊川の支流である赤川。ここに八岐大蛇伝説が眠るのです。
 
 
黄泉の国から脱出する伊邪那岐命(いざなぎのみこと)が、数多くの桃や筍といった栄養の豊富な食材を敵である追っ手に与えることで死を免れた、というような展開があったりして、読んでいてとてもおもしろいです。天皇や神という存在が苦手だ、という人もぜひこの、日本のいちばん古い物語を読んでみてください。興味が出てきたら、原典に近い日本語訳でこの古事記を読んでみるともっとより多くの発見があると思います。古事記は出雲の国のことを書いた物語で、いわば当時絶大な権力を持っていた天皇中心(大和王権)の社会から、地方都市が自由になるために、古事記文化や神道の社会を栄えさせていったようです。今社会の中心となっているのは資本主義なんですが。
 
 
漁民と猟師の兄弟の話とか、兎がワニをだます話とか、山火事から逃れる話とか、自然界のことが豊穣に語られています。とにかくエネルギーにあふれた古典だと思います。2013年は、柳田国男の遠野物語が著作権フリーの文献として青空文庫に掲載される年なので、これも今度紹介してみたいと思います。
 
 

 
 
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http://akarinohon.com/center/kojiki01.html
(約100頁 / ロード時間約30秒)
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竹取物語 和田萬吉

 
今日は和田萬吉の竹取物語を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
これは日本最古と言われる物語です。いちばん古い。
三十年ほど前に、星新一氏が現代語に翻訳した竹取物語の本があるんですが、僕はちょっと前にこれを読んだことがあります。

古い話ですが楽しく読めます。ただただ不可思議なことを書いているだけと思われがちですが、どこかほんのりと恋愛小説の気配が漂う物語です。娘可愛や、という気持ちが爆発して空想が月にまで到達してしまうのがすごいですね。
 
 
 



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http://akarinohon.com/center/taketori_monogatari.html
(約60頁 / ロード時間約30秒)
 





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実語教

今日は実語教を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
これは江戸時代の寺子屋で、かつて実際に使われていた児童教訓書です。鎌倉時代に成立した書物で、作者は不詳です。江戸時代には児童にまずこれを教えたんです。現代で言えば、小学校でこれを教えたわけですね。儒教的な内容で、一説によれば、弘法大師空海が書いたとも言われています。

空海は十代の頃エリート官僚になろうと思っていて大学で学んでいたのですが、ある日出会ったお坊さんの教えに感動して仏教に目覚め、山の中で一人修行してから空と海を眺めて、その自然界のありさまに感動し、それから僧となって唐へ渡り長安で学んだ有名なお坊さんです。孫悟空や三蔵法師が登場する西遊記のようなすごい長旅を実際にしているおもしろいお坊さんです。空海は長安で密教を学んでから日本へ帰り、四国で治水工事をしたり、密教を広めたりして、真言宗の開祖になりました。その空海が綜芸種智院という日本で初めて身分を問わずに学問を教えた学校を開いているわけですから、江戸時代に使われた児童教訓書の作者が空海であるという説が出てくるのもおかしな話ではないと思います。

空海の密教においては、十住心論というのがありますが、ご存じでしょうか。
人の心を十の段階に分け、
一、獣のように本能のままに生きている第一住心からはじまり、
二、幼児が日常の倫理に目覚めた段階が第二住心で、
三、外界への恐れを薄れさせてゆくのが第三住心で、
四、初期仏教の認識に目覚めるのが第四住心で、
五、自分の苦しみを除くところまではたどり着いた状態が第五住心で、
六、すべての人々を救済しようとする慈愛に満たされた段階が第六住心で、
七、一切のことは実体がなく空であると悟った段階が第七住心で、
八、あらゆるものは本来清浄であり対立することはないと悟る段階が第八住心で、
九、現実の世界も理想の世界も同じだと悟る段階が第九住心で、
十、あらゆるものの価値に目覚め、世界の真実の姿に目覚める段階が第十住心
なのだそうです。

密教というのは、短歌や俳句の世界とは違うわけですし、短く要約してしまったらその教えがまったく機能しないものであるはずですが。空海に興味を持った方は、密教の歴史を研究した本をじっさいに読んでみてください。難しい古典は読めないという方には、空海の図解マンガもあったりしますよ。

ふつうは、十住心論の一段階から五段階目くらいまでのあいだを行き来しているという感じだと思うんですが、その先のことはかなりむずかしそうですよね。現代の偉人に照らしあわせてみても、十をすべてできているなという人はかなり少ないのではないでしょうか。ヘタに高次元なところをマネするととんちんかんな幸福感につつまれた人になってしまいそうです。

実語教は、児童たちに勉学の勧めや日常道徳などを説いている、生活の中の倫理を教える書物ですから、空海の十住心論で言えば第二住心にあてはまりますね。実際に空海がこの実語教をまとめたのか、それとも別の人がまとめたのかは判りませんが。この編纂者が空海のことを心に念じながら書いたことはまず間違いないんじゃないでしょうか。

時代劇などでよく出てくる寺子屋で、じっさいに学んでいた幼子は、この実語教を諳んじていたようです。まずは音のひびきに親しんでこれを暗誦できるようになることを重視して、すっかりと暗誦できるようになってから、実生活を通してその意味を知ってゆく、というのが当時の教育法だったようです。

実語教は声に出して読みたい古典だと思います。意味を考えるよりまず先に、詩のように読めるのが興味深いです。これってかなりすてきなことが書いてありますから、現代人がこれを何度も読んで、諳んじられるようになると良いんじゃないかなと思います。

『山高きが故に貴(たっと)からず。木有るを以(もっ)て貴しとす』

とか

『倉の内の財は朽(く)ちること有り。身の内の財は朽ちること無し』

とか

『なほ農業を忘れざるがごとく、必ず学文を廃することなかれ』

なんて
小学生に言われた日には、しょんべんちびりますね。
心の宝は朽ちることがない! だから君よ、学ぶことを永遠に忘れるな。

一つ一つのフレーズがどこか詩になっている。
一生忘れたくない詩ですよこれは。



http://akarinohon.com/center/jitugokyou.html (ページ数 約5枚)




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老子道徳経

今日は《老子道徳経》 Laozi Tao Te Ching を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。これは、へいはちろうさんという方が翻訳したものを借り受け、無料公開させていただいています。html形式でお読みになりたい方は、ぜひへいはちろうさんのサイトをご覧ください。中国語、英語、日本語で読むことが出来ます。

老子は、言わずと知れた中国のもっとも有名な古典のうちの一つです。老子の現代語訳の本は、日本でもたくさん出ていますから、老子に興味のある人はぜひ図書館で借りてみてください。
はじめて老子を読んでみる人には、新井満さんの『老子―自由訳 』をお薦めします。
もっと深く老子を学びたい人は、金谷治さんの『老子』をお薦めします。
まずは以下のリンクから《老子道徳経》を読んでみて、その魅力を知っていただければ幸いです。



http://akarinohon.com/center/rousi.html (総ページ数 約81枚)

横書きバージョンはこちら (総ページ数 約81枚)

縦書き+書き下し文バージョンはこちら(総ページ数 約81枚)




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方丈記 鴨長明

今日は鴨長明の方丈記を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
まずは現代語から読んだほうが内容がよく判ると思うので、方丈記の現代語訳を掲載しているサイトを紹介します。

鴨長明 方丈記 現代語訳http://www.h3.dion.ne.jp/~urutora/houjoukipage.htm





鴨長明がどういう人だったかというと、ダ ン テと同じく政争に敗れ、というか出世に伴う政治的な対立を避けてゆく過程で古典や文学に目覚めていった人なわけです。僕が古典に目覚めたのは非常に恥ずかしいんですが、かなり遅いです。二十代の頃はさっぱり判りませんでした。仏教美術や古寺などには興味津々だったんですが。




話が逸れますが平安時代の古寺は、現代の建築技術ではぜったいに真似できないほど高度な技術で建てられていて、そういうのはもう見ているだけで楽しいわけです。しかしいかんせん基本的な教養が無いので、僕は古典が長らく読めませんでした。古典に挑戦してもすぐに負け戦してすごすごと帰ってくる感じです。




僕が古典に目覚めたのは、影ながら私淑(ししゅく)している知識人の方が

「独学したいんだったら、古典を読みなさい。新しいものはすぐにすたれて役に立たなくなります。古典は滋味にあふれていますよ」

とすてきな口調でおっしゃっていたので、『監獄の誕生』という哲学書を投げ棄てて、とつぜん古典を読み始めた、という経緯だったんです。現代では誰でも古典が読めるように、横に現代語訳が書いてある良書がたくさん出版されているわけですから、教養が無くても読めますよ。非常にミーハーと言いますか、僕はそういう経緯で古典を読み始めました。




方丈記のほかにも万葉集なども読んでゆきたいと思っています。良寛というすてきな禅僧のかたが「万葉集を読みなさい」と言っているんですが、やっぱり古い時代の自然観というのが万葉集に込められていて、日本の古典そのものだと思います。こんど紹介してみます。他にも小倉百人一首であるとか、素晴らしい古典がたくさんあると思いますが、僕は『老子』って何度読んでも新鮮だと思います。





一言だけ、方丈記について記しておきます。方丈記は地震や津波や火事や災難に弱い日本のことを情感豊かに記している書物だ、と思います。たとえばシェークスピアやダ ン テと並び称されることの多いゲ ー テも、大地震をきっかけとして、その地震についてをずっと考えながら創作を行ってきた人なんです。時代を超える書物を書く方は、ずっと昔にあった苦悩を忘れずに覚えている人のように思います。苦悩を忘れず、それを和らげるように書き記した人、というのがゲーテであり鴨長明なんだと思います。






http://akarinohon.com/basic/hojoki.html




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