ハイネ詩集(18)

今日は生田春月訳の「ハインリヒ・ハイネ詩集」その18を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
 
 
「王女が夢にあらはれる」という詩の一節がある今回の詩で、古代に思いを馳せる恋愛詩なんですけど、この夢想は、自分は古代エジプト文明とかを映像資料で見ているときに感じるわけなんですけど、ハイネはどの時代の「女王」を詩に描いているのかと、空想しながら読んでいました。ハイネは記します。
 
 
 『わたしは夜を待ちかねて
  あまりにあなたの恋しさに
  …………
 
 
オチの一文に驚きました。つづきは本文をご覧ください。谷崎潤一郎が『陰翳礼賛』で述べていた、西洋における透明でガラスのように透きとおっている幽霊観というのを、まのあたりにした気がしました。幽霊なのに星のように美しい描写なんです。今回は、楽しい詩が多いんです。
 
 
 幽霊島はうつくしく
 月のひかりにかすんでゐる
 たのしい音色が洩れて来て
 霧は踊つて波をうつ
 
 
ほかにもこんなスタンザがあります。
 
  
 むかし話のおもしろさ
 その中にある夢の国
 魔法の国のたのしさが
 白い手をしてさしまねく


「白い手」というのがユーモラスに描かれます。西洋のファンタジーの源流をまのあたりにするような詩がいくつもありました。
 
 

 
 
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ハイネ詩集(17)

今日は生田春月訳の「ハインリヒ・ハイネ詩集」その17を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
 
 
ハイネの詩を読んでいて「ここおもしろい」と思う箇所があるわけなんですけど、それはおそらくハイネの生きたドイツとパリでは、まったく違うように受け入れられていたんだろうなと思ったんです。
 
 
「わたしの心を二つに切つて」という詩句が記憶に残る作品で、これは朗読する人によって印象が一気に変わる気がするんです。ジェームズ・ステュアートが朗読すれば甘い恋の物語になるでしょうけど、ストーカー男を演じる俳優がこの詩を詠んだなら、古典的なホラー映画になってしまいそうで、マルクス兄弟がこの詩を歌ったらコメディーになる……そういう奇妙な変化が起きそうな、詩なんです。ハイネはこう記します。
 
 
 わたしはどうしても忘れない
 わたしの愛したかはいゝ女
 
 
つづきは本文でご覧ください。
 
 

 
 
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ハイネ詩集(16)

今日は生田春月訳の「ハインリヒ・ハイネ詩集」その16を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
 
 
ふつう詩は、言葉が先に生じて、その言葉が自由に展開していって詩ができあがるらしくて、言葉がいちばんはじめにある……らしいんですけど。ハイネはなんとなく思ってることを言葉に転写しちゃったりすることもあるんじゃなかろうかと思いました。日記みたいに。
 
 
日記は、なんとなく思ってることを言葉に固着させる。日記はあいまいな思いを、言葉に収斂する。詩は、言葉が自由に舞い終えたあとに、思いや考えが生じてゆく。優れた詩は、詩から哲学に到達したり、詩から思想に展開したりする。
 
 
詩と哲学の両方で満たされている作品もある。詩人でありながら哲学者とか。ニーチェだったら、物語で哲学書になっている。物語哲学。それならいったい詩日記だとどうなるんだろうかとか思いました。日記小説。小説なのか日記なのか判らない。私小説は事実ばかりを書こうとするわけですが、そうではなくて日記小説では、虚構と実際が混じりあっている。
 
 
ハイネの詩は、ロマン主義を通り越してメルヘン主義になっているものまである。ゲーテにいちばん近くて、ゲーテからいちばん遠かった詩人……という感じがしました。ハイネはこう記します。
 
 
 きれいな、あかるい黄金の星よ
 遠くの恋しい人に告げてくれ
 わたしが心きずつき青ざめて
 ……
 
 
……つづきは本文をご覧ください。ハイネはたまに、間抜けな男の心情を詩に描きだすんです。今回それが際立っていました。
 
 

 
 
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ハイネ詩集(15)

今日は生田春月訳の「ハインリヒ・ハイネ詩集」その15を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
 
 
哲学者のシモーヌヴェイユがこういうことを言ったらしいんです。
 
 
『自分の内部にある宇宙の表象』
 
 
これが好きでノートにメモしていたんですけど、シモーヌヴェイユは、哲学者なのに詩と深い関係にあると思うんです。哲学者でありながら詩人。『自分の内部にある宇宙の表象』ってすばらしい詩的想像力だなあー、絵本でこういう宇宙が描かれていたら見てみたいと思いました。
 
 
ハイネは鳥と花を象徴にして、恋と苦しみについて描くんです。
 
 

 
 
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ハイネ詩集(14)

今日は生田春月訳の「ハインリヒ・ハイネ詩集」その14を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
 
 
「彼等はわたしを悪人と呼んだ」という詩の言葉が印象に残る作品で、ハイネの二段構成のおもしろさが出ているように思いました。今回のいくつかの詩を読んでいて、ハイネは普段なら入ってこない概念を、重要な箇所にもぐり込ませるのが上手いんだなあと、思いました。
 
 
ハイネの伝記をちょっと今読んでいるんですけど、ハイネは手紙の中で自分の詩を「美しい余技にすぎない」と考えつつも、激動の時代を生きる人々の中で恋愛詩を描き続けた。ハイネはユダヤ人として学生時代に排撃されたり、その詩を批評家から「愛なき愛欲の詩/人間性の乏しさ」と酷評されて生きていて、大人気の詩人であるにもかかわらず、それとは裏腹の人生を歩んできている……。
 
 
ハイネは愛情について書くときに、いつも対置する概念をそこに書くんです。明るいだけの恋を描かないし、暗い世界に何かを対置させる。ハイネはこう記します。
 
 
 わたしは悪魔とよぶものを
 地獄も地獄の苛責も信じない
 わたしはたゞおまへの眼を信じる
 それからおまへのよくない心を信じる
 
 

 
 
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ハイネ詩集(13)

今日は生田春月訳の「ハインリヒ・ハイネ詩集」その13を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
 
 
ハイネは、繰り返し恋愛の破綻とユートピアの崩壊を描きだすんです。ふつう極楽は極彩色で、地獄は灰色一色というイメージかと思うんですけど、ハイネは苦や悲しさを美しく描くんです。苦に嘆美さを付帯させるのが、ハイネの詩の特徴だと思うんです。
 
 
それからこのハイネの詩は若々しいですよ。19歳か29歳で誕生日を迎えることが絶望である、とでも言うかのような……奇妙にわかわかしい悲しさを描きだしているんです。はしが転んでもおかしい年頃、ってたしかに実感としてあったわけですけど、それとちょうど表裏一体になったかのような、みずみずしい悲しさが描かれています。
 
 
ハイネは詩についてそれは「美しい余技」であると記していたこともある。ハイネの描く苦は、どこか演劇的というか演技的な印象があって、現実の苦とはかなりかけ離れている。苦がミュージカルのように艶やかに演出されるというのは現代ではほとんど見かけない表現のように思うんです。たぶんギリシャ神話のような悲劇を、恋愛詩で描きだそうとして、こうなったのかなあ……と思いました。
 
 
この詩の言葉が印象に残りました。
 
 
 わたしがどんなにわづらつてるか
 あの夜鶯うぐひすが知つたなら
 よろこばしげな守唄もりうた
 うたつてくれることだらう

 

 
 
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ハイネ詩集(12)

今日は生田春月訳の「ハインリヒ・ハイネ詩集」その12を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
 
 
ハイネは、歌歌いのための詩を数多く書いた詩人なんです。今回、そのことを詩にしている。ハイネは意外と自分のことを詩にしたためるんだなと思いました。直球の詩が多いような気がするんです。
 
 
専門用語の意味をそれぞれちょっと調べてみました。 カンツォーネ ソネット スタンザ
 
 
ところで、テルツォネというのは現代では使われていない専門用語なんですが、調べてみるとこれは、テンツォーネ(tenzone)というイタリア語で、ソネットなどによる韻文による議論、のことらしいです。ダンテがテンツォーネ(tenzone)を書き残している。
 
 
「詩人はとてもつくれない」で結ばれる詩に、とてもユーモアがあって楽しく読んだんですけど、ゲームや映画がつくれる感動と、現実にしか存在しない感動とのちがいをみごとに解き明かしているように思えました。
 
 
やはりハイネも、ゲーテと同じく、ギリシャ神話から詩のヒントを得て描いている。ハイネはゲーテにも、そしてパリでマルクスとも出会っているんです。
 
 
マルクスとハイネは2人とも、自分たちの政治的言論で国から追放されて、パリで自由を求めた。ハイネは詩とパリにその後ずっと生きて、マルクスは革命にひた走って自由の国パリからも出てゆかざるを得なくなった……すごい時代だなあ……と思います。
 
 
むつかしい言葉を調べてみました。
 
 
恕す
 
 

 
 
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