いのちの初夜 北條民雄

今日は北條民雄の【いのちの初夜】を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。この物語は、当時不治の病だった癩病(現代では治る病です)にかかった作者が、その病について書いている物語です。ですから、例えば長生きした方が多い病とはまったく異なる状況を描いた物語です。北条民雄は、本当にあった話として、どうしても助からないという状態において、いやそれでもやっぱり何かが助かるんだ、誰もが助かるよすががあるんだ、ということを一つ、しっかりと表現しています。
 
 


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 ここからは新サイトの「ゲーテ詩集」を紹介します。縦書き表示で読めますよ。
 幼かった頃の夢想のことを、ゲーテは「黄金の空想よ」と記します。ゲーテの詩には、神話的なものと理知的なものが混在していて、これが魅力のように思います。ゲーテはゲルマン神話と、とくにギリシャ神話の影響が色濃いようです。
 この詩集は生田春月が翻訳をした作品です。ゲーテは政治家としても活躍し、かのナポレオンからも尊敬されていた作家で、その言葉を詩で楽しめるというのは、なんだか嬉しいように思います。

  

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夏目漱石 坊っちゃん

今日は夏目漱石の《坊っちゃん》を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。



夏目漱石の《坊っちゃん》というと、松山での正岡子規との交流を思い浮かべます。漱石は横の繋がり(同世代の絆)に希望を持っていて、縦の繋がり(親子関係)が壊れていることを常に意識していたように感じます。漱石は両親との折り合いが非常に悪く、たとえば《道草》という小説ではまるで自伝のような書き方でこんなことを書いて居るんです。

実家の父に取っての健三は、小さな一個の邪魔物であった。何しにこんな出来損いが舞い込んで来たかという顔付をした父は、殆んど子としての待遇を彼に与えなかった。

健三というのが漱石のように表現されているわけです。
漱石の父・直克は江戸時代末期の旧秩序型の権力者です。
かたや夏目漱石は新しい文化に希望を抱いて英語に興味を持ち、世界を視野に入れてイギリス文学や漢文学のことを考えていた。
父と子で、まったくの別ものなんです。




漱石は生まれてすぐに四谷の古道具屋に里子に出され、予防接種の種痘を受け、それが原因で天然痘(疱瘡)にかかって、かゆいかゆいと全身を掻きむしって煩悶した。当時は天然痘が世界中で問題となっていて、予防接種の種痘がさかんに開発されていた。当時それは大問題だったわけです。その頃に出来たあばたは大人になっても消えず、漱石はそのきずあとが不愉快でたまらなかった。写真を撮る時はそれを修正させたりしたそうです。




それで漱石は親たちの作りあげている社会に強い不信感を感じつづけていた。そういった不信感というものがあるからこそ、新しい世代への強い信頼と絆が生じるわけです。例えばカナダ人音楽家のグールドは漱石の草枕を絶賛していて「この世には聖書と草枕さえあれば良い」とさえ言わしめているわけです。そういった漱石の横の繋がりに於ける強さというものは、多くの同世代に今も共感を与え続けています。




よく小学校で推薦図書としてこの本があげられています。それでついうっかり、これは小学生の読みものだと思い込んでしまうかもしれません。けどこの文章って中高生くらいの教養がないと読めない気はします。




漱石は親友の正岡子規に導かれるようにして小説家となりました。
たとえば漱石がこの《ぼっちゃん》を書き記した年齢になってからこれを読んでみると、自分の境遇と照らしあわせて、もっとずっと味わい深く読めると思います。あるいは夏目漱石が正岡子規との思い出をどのように大切にしていたのかを想像しながら読むと、まるで異なる小説として読めるのではないでしょうか。







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 幼かった頃の夢想のことを、ゲーテは「黄金の空想よ」と記します。ゲーテの詩には、神話的なものと理知的なものが混在していて、これが魅力のように思います。ゲーテはゲルマン神話と、とくにギリシャ神話の影響が色濃いようです。
 この詩集は生田春月が翻訳をした作品です。ゲーテは政治家としても活躍し、かのナポレオンからも尊敬されていた作家で、その言葉を詩で楽しめるというのは、なんだか嬉しいように思います。

  

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赤ずきんちゃん グリム兄弟



今日はグリム兄弟の《赤ずきんちゃん》を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
グリム童話ってけっこう残酷です。「えっ、これどういうオチ?」というような怖い結末がけっこうあります。だからこそというか、結末がどうなるか判らないので興味深く読めるわけなんですが。この話はなんというか、イメージがすごく鮮やかというか、象徴的というか、いつまでも記憶に残ります。




【赤いずきんの少女/おばあちゃん/なんでも飲み込むオオカミ/石/お菓子とぶどう酒】




一つ一つのモチーフがとても絵画的です。セザンヌやピカソがこのモチーフを描いたらどうなるんだろうか、とか空想します。或いは安部公房がこの小説をモチーフにして書いたらどの部分を掘り下げると思いますか? または推理作家がこれを書いたら、どういうトリックになるんでしょうか。あるいは少女マンガ家だとどの部分で楽しませてくれるのでしょうか。なんだかとても象徴的な粗筋とモチーフに思えます。これってでも、少女が主人公なわけで、男がこれを読むと、どうしても自分がオオカミや猟師だというような感覚で読んでいくことになるわけですが。




これは冒険譚の基本形である、当たり前の世界から、非現実の世界へと行って、そうして元の世界へ帰ってくるという話しです。

行って帰ってくる。
ウィトゲンシュタインという哲学者はこの「行って帰ってくる」という運動を最重要視しました。立脚点はあくまでも現実の世界であり、そこからどんどん意味が成立しない危機的な状況の解析へと進んでゆきます。そしてどこまでが人間の理解可能な領域で、どこから先が語りえぬ領域であるかを明確化しました。




ウィトゲンシュタインはこのように述べています。

ひとの知ることはすべて三語で語られうる。他はただざわめきや喧騒が聞こえたにすぎない。(キュルンベルガー)

◎哲学というのは、ハエ取り壺にはまってしまったハエに、ハエ取り壺からどうすれば出られるかを教えてやるようなものだ。

◎私を理解する人は、私の命題を通り抜け、その上に立ち、それを乗り越え、最期にそれがナンセンスだと気づく。そのようにして私の諸命題は解明を行う。(いわばはしごを昇りきった者は、はしごを投げ棄てなければならない)

◎哲学における諸問題は、思考の限界を超えている。


◎「ある事態が思考可能である」とは、その事態の代替物(箱庭または像)を用意できるということだ。


◎論理はアプリオリ(先天的)である。(哲学は経験に先立つもののみを扱う)

◎思考の限界を捉える時、我々は「以下同様」という言葉に出会わなければならない。


◎およそ語られうることは明晰に語られうる。そして、論じえないことについては、ひとは沈黙せねばならない。



参考文献
論理哲学論考 (岩波文庫)ウィトゲンシュタイン (著)
ウィトゲンシュタイン『論理哲学論考』を読む (ちくま学芸文庫) 野矢 茂樹 (著)  
ウィトゲンシュタインの「はしご」 吉田寛    ナカニシヤ出版



ウィトゲンシュタイン哲学を抜粋で説明するのはかなり無理がありますが、ウィトゲンシュタインは微細に専門化する状況において、意味が失われて、泥沼に嵌っている人々に「判りやすい全体像」を提示し、当たり前の世界へと帰ってゆく道のりを指し示します。





ウィトゲンシュタインは「単に無意味な言説を、あたかも価値があるかのように述べ続けている哲学の諸問題」を「論じえないこと」として無意味化しました。
そうして語られるべきであるにもかかわらず語りえぬことについてを、沈黙の内に受け入れようとしました。




小説はもちろん哲学と異なっていて、無意味な世界についてを楽しむこともできます。

行って帰ってくる。
遠い世界へと赴き、現実へと帰る、というのが僕は好きです。

このグリム兄弟の《赤ずきんちゃん》は、非情の世界から日常へと帰る、という
基本的な展開があってすてきです。





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