子規の画 夏目漱石


今日は夏目漱石の手記、『子規の画』を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
漱石が正岡子規のことを書いている、短い随筆です。




夏目漱石のことを調べてみると、漱石はやっぱり学生時代の正岡子規との交流がいちばん楽しかったようです。正岡子規が居なかったら、そもそも夏目漱石は誕生していないわけで、「漱石」という名前はもともとは正岡子規が使おうとしていた作家名で、夏目漱石がその名前を子規からもらうことにした。「漱石」という名前の由来は「石に枕し流れに漱ぐ」という無為自然の暮らしのことを表現した「枕石漱流」から来ています。それをある人が「漱石枕流」と言ってしまって、それじゃあ「流れに枕して、石で顔を洗う」になっちゃうじゃないかと指摘された時に、意地をはって「いや漱石で良いんだ! 漱石のほうがぜんぜん良い!」と負け惜しみを言い続けたという古事(珍事?)から来ている名前です。




正岡子規が亡くなってしまった後に、夏目金之助は、夏目漱石として作家の道を歩む決意をしたわけなんです。僕にはそういう人生が変わるような親友というのはまったく居ないですから、ただただ憧れます。というか、そういうれっきとした付き合いが出来る人のほうが珍しく貴重な存在なんだと思います。




子規が作っておいた道のりを辿って、漱石は小説家になった。やっぱり漱石は、子規がほんとうにやりたかったことを、自らで体現して見せようとしたんじゃないかなと思うんです。夏目漱石のユーモアというのは、寄席の世界観だと思うんです。その寄席には若い頃の正岡子規と一緒に通っています。漱石がユーモア小説を書くのはそのへんの楽しい記憶が深く関わっていそうです。




漱石が正岡子規との十年前の記憶について書いているこの文章は、とても淡々としていて、けれども冷徹ではない、という落ち着いたものです。
漱石はこの随筆で、正岡子規の文学はなににつけ「巧」であって「たくみだった」と述べています。もっと「拙」で「へたで良いから、のびのびと」していてほしかったなあ、と書いています。







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 幼かった頃の夢想のことを、ゲーテは「黄金の空想よ」と記します。ゲーテの詩には、神話的なものと理知的なものが混在していて、これが魅力のように思います。ゲーテはゲルマン神話と、とくにギリシャ神話の影響が色濃いようです。
 この詩集は生田春月が翻訳をした作品です。ゲーテは政治家としても活躍し、かのナポレオンからも尊敬されていた作家で、その言葉を詩で楽しめるというのは、なんだか嬉しいように思います。

  

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