青猫(4) 萩原朔太郎

 
今日は萩原朔太郎の「青猫」その4を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
 
 
詩集青猫の冒頭部分では、密林の険しさや腐敗、森が人の侵入を拒むような描写が続いていましたが、後半部分では怠惰に陥った人の憂鬱を、自然界が厳かに包み込んで治癒しているような印象が生じています。「憂鬱なら、森を見に旅へ出ろ」と言わんばかりの展開です。
 
 
 最も原始的な情緒

この密林の奧ふかくに
おほきな護謨(ごむ)葉樹のしげれるさまは
ふしぎな象の耳のやうだ。
薄闇の濕地にかげをひいて
ぞくぞくと這へる羊齒(しだ)植物 爬蟲類
蛇 とかげ ゐもり 蛙 さんしようをの類。
白晝(まひる)のかなしい思慕から
なにをあだむが追憶したか
原始の情緒は雲のやうで
むげんにいとしい愛のやうで
はるかな記憶の彼岸にうかんで
とらへどころもありはしない。
 
 


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 ここからは新サイトの「ゲーテ詩集」を紹介します。縦書き表示で読めますよ。
 幼かった頃の夢想のことを、ゲーテは「黄金の空想よ」と記します。ゲーテの詩には、神話的なものと理知的なものが混在していて、これが魅力のように思います。ゲーテはゲルマン神話と、とくにギリシャ神話の影響が色濃いようです。
 この詩集は生田春月が翻訳をした作品です。ゲーテは政治家としても活躍し、かのナポレオンからも尊敬されていた作家で、その言葉を詩で楽しめるというのは、なんだか嬉しいように思います。

  

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