晶子詩篇全集(20) 与謝野晶子

 
 
今日は「晶子詩篇全集」その20を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
 
 
今回の詩は、まるで仙人が書いたような詩です。あと永井荷風という名前がとつぜん詩の中に登場して面白いなと思いました。今回の詩の中には、批評家のような文章もあり、また現代純文学のような詩もあります。


夜に釣りをしていて、釣り針もつけていないので何も釣れない。水面に月が映っている。「月を釣る」という詩のタイトルが幻想的です。月夜に釣りをして遊ぶなんて風流ですよねえ。やったことないですけど。
 
 
今から三千年ほども昔、中国は周の時代、呂尚(りょしょう)という男が釣り針も付けずに黄河のほとりで釣りをしていたところ文王がこれを見出し「これぞ祖父の望んでいた男」と言って、召し抱えたそうです。それでこの釣り人が太公望(たいこうぼう)と呼ばれるようになった。太公望と文王と武王によって、千年続く周王朝が誕生しました。くわしくは司馬遷の「史記」こちらの文章を読んでみてください。釣りをしているところ文王に見出された男、太公望。「太公」というのは父または祖父のことを意味します。それで、釣れもしない釣りをするような、結果の出ないヘタな人のことをからかいの意味を込めて「太公望」と呼ぶことがあったそうです。どーんとかまえて、とりあえず釣りをしているという男。
 
 
 

 
 
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 幼かった頃の夢想のことを、ゲーテは「黄金の空想よ」と記します。ゲーテの詩には、神話的なものと理知的なものが混在していて、これが魅力のように思います。ゲーテはゲルマン神話と、とくにギリシャ神話の影響が色濃いようです。
 この詩集は生田春月が翻訳をした作品です。ゲーテは政治家としても活躍し、かのナポレオンからも尊敬されていた作家で、その言葉を詩で楽しめるというのは、なんだか嬉しいように思います。

  

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お月さまいくつ 北原白秋

今日は北原白秋の「お月さまいくつ」を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
 
 
「お月さまいくつ」という、有名なわらべ唄について、さまざまなバリエーションがあって、それぞれ味わいの異なるものになっているのです。少しずつ内容が違う。似ているけれどもまったく違う。ふしぎな考察です。
 
 
昔の月は、現代で言うところの「照明」の意味を持っていましたから、今よりももっと愛されていたようです。電灯が全く無い山の中を歩いてみれば、おそらく現代でも月はもっと美しく見えると思います。月があれば、山道は見える。月が無ければ、歩くことも這うことも出来ない。そんな頃の、月を歌った童謡です。歴史の本を読んでいると侍文化が多く書き残されているのですが、さいきん町人や農民の文化というものの歴史を知りたいなあと思うようになりました。
 
 


 
 
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晶子詩篇全集(19) 与謝野晶子

 
 
今日は「晶子詩篇全集」その19を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
 
 
「男の胸」という詩は、まるで現代小説のような印象があります。悪なるものや、背徳というものを詩に昇華させています。すてきです。一般社会では忌避されるものを文学の中で描いて、芸術に昇華してゆくという典型的な詩であります。
 
 
「子守」という詩が印象的で、このまえ読んだあの物語の最後の章は、じつは与謝野晶子のこの詩を想起しながら描かれたんじゃないだろうかとか、そのようなことを想像しながら読むのがとても楽しいんです。
 
 

 
 
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レ・ミゼラブル(18) ユーゴー

今日はビクトル・ユーゴーの『レ・ミゼラブル 第三部 マリユス』
『第二編 大市民』を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
 
 
前回、第三部第一編にて、パリの浮浪少年が登場しました。第三部の主人公はマリユスという青年なのですが、これがじつは作家ユーゴーをモデルとしたものなんだそうです。つまり第三部から自伝っぽく読めるようです。ユーゴーは自身の幼いころを「小さな人間」として描き始めます。フランスはパリーと言う坩堝に生きる、快活なこども。窃盗と酒と暴言が蔓延する都市で少年は泥の中の真珠のように潔白である、とユーゴーは述べます。
 
 
この坩堝としてのパリーを生きる幼きユーゴー少年「マリユス」の登場する、第三部の始まり方というのがなんともいえない勢いを感じるのであります。ユーゴーはパリを追放されながら、パリを愛してそれを物語に描いている。パリから離れるほどにそれへの愛がつのるようです。ユーゴーの少し後の時代に生きた哲学者ニーチェは、優れた人の人生についてを、まずはどんな重荷をも背負うラクダに例え、次にどのような束縛からも自由である獅子に生まれ変わる必然性を説き、そして最後にはその勇猛な獅子から無垢のものである赤ん坊へと生まれ変わるという、ラクダから獅子そして赤子という道程を説いたのでありますが、ユーゴーの物語にも、このあらゆる重荷を背負うラクダと、何からも自由な獅子と、そうして無垢な子どもらが描かれているのであります。
 
 
19世紀パリの浮浪少年にとって、芝居小屋がなによりもの蠱惑的な世界なんです。ラブレーのごとき詩人である浮浪少年。少年はなにごとにも笑いだそうとしている。この少年はやがて哲人となるのか、あるいはバカとなるのか、とヴィクトル・ユゴーは記します。孤立した少年は必ず世の不徳に捲き込まるるままに投げだされて打ち捨てられる。しかしパリーの浮浪少年だけは、いかにも摩滅され痛められてはいるが、内部においてはほとんど純然たるままである、とユーゴーは述べるのです。混沌としたその都市だけは、無垢なるものを無垢なるままに遊ばせ続けるのです。都市が無垢なる魂を保存する。ユーゴーはパリーの浮浪少年に、文学や美術を与えよと述べています。
 



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ちょっとこれまでのあらすじを全部、wikipediaの解説文から引用しておきます。
 

    1815年10月のある日、75歳になったディーニュのミリエル司教の司教館を、ひとりの男が訪れる。男の名はジャン・ヴァルジャン。貧困に耐え切れず、たった1本のパンを盗んだ罪でトゥーロンの徒刑場で19年も服役していた。行く先々で冷遇された彼を、司教は暖かく迎え入れる。しかし、その夜、大切にしていた銀の食器をヴァルジャンに盗まれてしまう。翌朝、彼を捕らえた憲兵に対して司教は「食器は私が与えたもの」だと告げて彼を放免させたうえに、二本の銀の燭台をも彼に差し出す。それまで人間不信と憎悪の塊であったヴァルジャンの魂は司教の信念に打ち砕かれる。迷いあぐねているうちに、サヴォワの少年の持っていた銀貨40スーを結果的に奪ってしまったことを司教に懺悔し、正直な人間として生きていくことを誓う。

    1819年、ヴァルジャンはモントルイユ=シュル=メールで『マドレーヌ』と名乗り、黒いガラス玉および模造宝石の産業を興して成功をおさめていた。さらに、その善良な人柄と言動が人々に高く評価され、この街の市長になっていた。彼の営む工場では、1年ほど前からひとりの女性が働いていた。彼女の名前はファンティーヌ。パリから故郷のこの街に戻った彼女は、3歳になる娘をモンフェルメイユのテナルディエ夫妻に預け、女工として働いていた。

    しかし、それから4年後の1823年1月、売春婦に身を落としたファンティーヌは、あるいざこざがきっかけでヴァルジャンに救われる。病に倒れた彼女の窮状を調べた彼は、彼女の娘コゼットを連れて帰ることを約束する。実は、テナルディエは「コゼットの養育費」と称し、様々な理由をつけてはファンティーヌから金を請求していた。それが今では100フランの借金となって、彼女の肩に重くのしかかっていた。

    だが、モンフェルメイユへ行こうとした矢先、ヴァルジャンは、自分と間違えられて逮捕された男シャンマティユーのことを私服警官ジャヴェールから聞かされる。葛藤の末、シャンマティユーを救うことを優先し、自身の正体を世間に公表する。結果、プティ・ジェルヴェから金40スーを盗んだ罪でジャヴェールに逮捕される。終身徒刑(=終身刑)の判決を受けて監獄へ向かう途中、軍艦オリオン号から落ちそうになった水兵を助け、海に転落。通算5度目となる脱獄を図る。

    そして、1823年のクリスマス・イヴの夜。今は亡きファンティーヌとの約束を果たすためモンフェルメイユにやって来たヴァルジャンは、村はずれの泉でコゼットに出会う。当時、コゼットは8歳であったにも関わらず、テナルディエ夫妻の営む宿屋で女中としてただ働きさせられている上に夫妻から虐待され、娘たちからも軽蔑されていた。ヴァルジャンは静かな怒りをおぼえ、テナルディエの要求どおり1500フランを払い、クリスマスの日にコゼットを奪還する。

    道中、後を追ってきたテナルディエを牽制したヴァルジャンは、コゼットを連れてそのままパリへ逃亡する。パリに赴任していたジャヴェールら警察の追っ手をかいくぐり、フォーシュルヴァン爺さんの協力を得たふたりは、ル・プティ・ピクピュス修道院で暮らし始める。母のことをあまり覚えていないコゼットは、ヴァルジャンを父として、また友達として心の底から慕い、愛し続ける。ヴァルジャン自身もコゼットを娘として、あらゆるたぐいの愛情を捧げる絶対的な存在として、彼女にまごころからの愛を注ぎ続ける。
 
 
以上が第一部と第二部のあらすじであります。






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晶子詩篇全集(18) 与謝野晶子

 
 
今日は「晶子詩篇全集」その18を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
 

今回は、若き日の恋について描いています。与謝野晶子にとって
恋は「刹那に胸の張りつめて」くるようなもので
それを詩に描くと
 
 

    マグネシユウムを焚くやうに、
    機関の湯気の漏るやうに、

はげしく身もだえることさえあるものだというのです。



 
 
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 幼かった頃の夢想のことを、ゲーテは「黄金の空想よ」と記します。ゲーテの詩には、神話的なものと理知的なものが混在していて、これが魅力のように思います。ゲーテはゲルマン神話と、とくにギリシャ神話の影響が色濃いようです。
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孔乙己 魯迅

今日は魯迅の「孔乙己(こういっき)」を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
 
 
魯迅について少しだけ紹介してみます。魯迅といえば「阿Q正伝」と「狂人日記」が有名で、名前さえはっきりしない男の苛烈な挫折を描き出し、鞏固な旧体制を辛辣に批判した作家として有名なのですが。最近、「Q」という文字が大流行していますがおそらくこの魯迅が書いた「阿Q」が元になっているんだろうと思います。魯迅の随筆や他の小説を読んでゆくと、とにかく苦労を積みかさねている人物を丁寧に追い続けていています。苦を受けた人そのものへのまなざしが、魯迅の文学の中心にあるようです。狂気や無知や無理解、ということを誇張して描き出してきたのが魯迅なんだと思っていたんですが、随筆を読んでゆくとどうもそういったものは魯迅の一部でしか無く、またそれらの物語を描いた動機を調べてゆくと、魯迅の言葉にそれらの描写が「悲哀」や「寂寞」から生じていることが記されています。魯迅は記します。
 
 
  寂寞はなお日一日と育って来て、大きな毒蛇のように、私の魂にまといついた。しかし私はつかみどころのない悲哀をひとり抱いていたとはいえ、べつに憤(いきどお)ろしくはなかった。というのはこの経験が私を反省させ、自分の姿を見せてくれたからです。つまり私は臂(ひじ)を振って一たび叫べば、応ずるもの雲のごとく集まるといった英雄ではけっしてないのだ。ただ自分の寂寞は追いはらわないわけにはいかなかった、それは私には苦しすぎたから。私はそこでいろいろな方法で自分の魂に麻酔をかけ、私を国民の中に沈ませ、古代に帰らせようとした。
(魯迅 その文学と革命/丸山昇/平凡社/P.5)
 
 
そうして魯迅は、青年時代に特有の慷慨激昂(こうがいげっこう)の気持ちはもうなくなっていた、と述べています。なぜ、若者のひどいくらいの挫折を描くのかというと、魯迅本人はこう述べています。それは、寂寞の中を疾駆する猛士のごとき若者たちをいささかでも慰め、「彼らを後顧の憂いなしに先駆させてやろうという気持ち」から表現している、と。
 
 
魯迅は、幼い頃裕福な家庭に育ったのですが一家が没落し、日本で医学を学びます。しかし差別と国家間の軋轢に直面し、啓蒙や革命と言うことの必要性を感じるようになり、医学よりも文学こそが人を救うのだと確信して、文学者を志すようになるのです。
 
 
魯迅のことがもっともよく判るように記されている書物は「呐喊自序」という文章なのですが。魯迅はこの「自序」にて、苛烈な挫折を描きながらも、未来に希望を託して描いているのだ、と述べています。詳しくは魯迅「自序」を読んでもらいたいのですが、魯迅は「希望は将来にあるもの」だ、希望は未来に存在している、と述べます。どのようなものであっても「希望が絶対に無い」ということは証明することが出来ない。魯迅は「寂寞の中を奔走している」ような若者が、「おそれることなく前進できるよう、少しでもいたわることができればと思う」と述べています。
 
 
幼時に魯迅の家は没落するのですが、もともとはかなりの格式があった家で、魯迅の祖父は学問を修めて「進士」という特別な階級を持ったお役人だったんです。この周家の没落の契機となったのは祖父の下獄が原因だったそうです。この「孔乙己」という小説では、独学を志した男が盗みと酒におぼれ、哀れにも没落していつも笑われている様が描かれているのですが、どうもじつは祖父や親族に似た境遇の男を想像して書いたようです。
  
 

 
 
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晶子詩篇全集(17) 与謝野晶子

 
 
今日は「晶子詩篇全集」その17を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
今回は都会的な男女というのが描かれています。女が観察した「男」が描かれているんです。屋根裏部屋を間借りした、という男が詩に登場します。ぼくもロフト付きのマンションに憧れるんですけど、なにかすき間で生きたいというのは男の特徴なんでしょうか。デジタル装置を好むのが男で、僕は今これが欲しくてしょうが無いんですが、そういうものは押し入れや屋根裏での生活とか、秘密基地っぽいもんだと思うんですが。でたらめな紹介ですみません。与謝野晶子の本文をぜひお読みください。今回の詩篇は粋な内容になっています。
 
 

 
 
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