ゲーテ詩集(28) 生田春月訳

今日は生田春月訳のゲーテ詩集(28)を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
 
 
今日の詩は、ぼくはちょっと納得がゆかないものだったので、「ゲーテ格言集」という別の本から、ゲーテの言葉を紹介しておきます。これ、なんだかおすすめの本なんですよ。こんな言葉が記されています。
 
 
もし賢い人がまちがいをしないとしたら、愚か者は絶望するほかないだろう。

われわれの持っている天性で、徳となり得ぬ欠点はなく、欠点となり得ぬ徳もない。

ある欠点は個人の存在には必要である。もし旧友がある特性をなくしたとしたら、われわれには不愉快だろう。

完全は天ののっとるところ、完全なものを望むのは、人ののっとるところ。

ゲーテ格言集 (新潮文庫) [文庫] ゲーテ (著), 高橋 健二 (翻訳)
  
 
 

 
 
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幽霊の足 相馬御風

今日は相馬御風の「幽霊の足」を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
 
 
これはごく短い随筆です。この前、夜に見る夢のことを書いたら、妙に夢について意識的になってしまい、ひどい悪夢にうなされました。幽霊と言うか、美しい人が町を歩いていて、しかしよく見ると足元に無数の穴というか傷が……。夜眠る前にゾンビ映画を見たわけでもないんですが、とにかく恐ろしかったです。優れた物語は、収拾のつかなくなってしまったものについて、それを落ちついて見つめられるものに作りかえてゆくものだ、という話しを聞いたことがあります。スティーブンキングのPet Semataryを思い出してしまいました。
 
 

 
 
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ゲーテ詩集(27) 生田春月訳

今日は生田春月訳のゲーテ詩集(27)を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
 
 

ゲーテの詩の「わたしがほんの一度でも/本当に孤独になれたなら」という言葉が印象に残りました。ゲーテが夜について詩に記しています。夜、眠るときにこの詩を読んでいて、昔こどもの頃の夏休みにそういえば、眠る前に好きな人のことを想像しながら眠りにつくと夢の中にその人が出てくる、という遊びをして居たのを思い出しました。たいていは変な夢しかみないんですけど、10回に1回くらいは出てくるんですよほんとうに。
 
この詩を翻訳した生田春月の、夜についての詩をひとつ紹介します。
 
 
眠りながらに    生田春月

揺られ揺らるる小舟のなかに
我等ねむらむ。
波かがやけばかがやけば
白金の真実にむかふ。

あやなく洩るる光を、光を
我等はもとむ。
隈なき月影の海にうかびいで、
高く歌はむふたりの恋を。
かくて尽きせぬ思ひを夜の名残に
かがやかせつつ、
揺られ揺られていざや帰らむ、
ねむりながらに。
 
 
 
 
ゲーテは記します

だから長い昼の間に、よいお方
この言葉をしつかり胸に蔵(をさ)めて下さいまし
昼は苦しいものですけれど
夜は楽しいものですわ
 


 
 
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侏儒の言葉 芥川龍之介

今日は芥川龍之介の「侏儒の言葉」を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
 
 
これは、随筆なんですが、ずいぶん文学的というか芸術的です。随筆というと、平凡なことが書いてあったり判りやすいものが多いと思うんですが、これはそうではなくて、むしろ私小説か純文学のように読めました。
 
 
芥川龍之介が、二宮金次郎像のような清貧の像を信じていた幼少時代を振り返ってみて、あれではまるで自らを奴隷の鎖につながれようとするようなもんだ、と記しています。芥川龍之介は地震や、思想や、読書録や、人生訓のようなものや、あるいは異性について書いています。ぼくは特に異性についての描写がおもしろいと思いました。芥川龍之介が書いた、架空の辞書のように読めますよ。あいうえお順じゃ無いですけど。芥川龍之介はこう記します。
 
 
   女人

 健全なる理性は命令している。「爾(なんじ)、女人を近づくる勿(なか)れ。」

 しかし健全なる本能は全然反対に命令している。「爾、女人を避くる勿れ。」

   又

 女人は我我男子には正に人生そのものである。即ち諸悪の根源である。

   女人崇拝

「永遠に女性なるもの」を崇拝したゲエテは確かに仕合せものの一人だった。が、Yahooの牝を軽蔑したスウィフトは狂死せずにはいなかったのである。これは女性の呪いであろうか? 或は又理性の呪いであろうか?
 
 
 



 
 
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ゲーテ詩集(26) 生田春月訳

今日は生田春月訳のゲーテ詩集(26)を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
 
 
「厚顔に愉快に」という詩があるんですよ。

一緒に酒飲むものはたくさんあるが
一緒に住めるものはあまりない
その多い少いが反対(あべこべ)ならば
これに越した愉快はない
 
 
こう書いています。このまえテレビで、シェアハウスの紹介がされていて、へー、なんか楽しそうだなと思って、ちょっとツイッターで検索したら、シェアハウスの悲惨な実例が紹介されていて「テレビと現実は違う!」と思いました。ツイッターのほうがどこか現実的なんですね。ネット上の蒼然とした感じがゲーテのこの詩とどこか共鳴しているような気がしました。
 
 
この詩を日本語訳した生田春月の詩に「幸福な詩人に」というものがあるのですが、ここにも現実と作られたものとのギャップのことが記されています。
 
 
幸福な詩人に     生田春月

身はけがらはしい不倫を行ひつつ
歌は美しい言葉でうたふ、——
それが詩人に与へられた特権である!
不倫な恋、恥かしいその行ひは
身をかへりみるに堪えざらしめても、
しかもその歌は何といふ美しさ!

かくて詩人は幸福である、
彼の罪は、彼の琴のしらべをかき乱さねば。
人の妻をばぬすむとも、
友をきずつけ、誣ふるとも、
そは詩とは関係のない散文のこと、
彼の詩の世界には、ただ美しい言葉で十分である!

ああ、詩人でないものは禍(わざわ)ひである!
世俗の道徳の軛にかけられて
地蟲のやうに蠢いてゐる
俗人どもの、何たる悲惨!
されど、その悲惨の中に悩みて
まことの人生の痛み、深みをさぐる
俗人こそは、「生の詩人」か——

そして詩人は、ただの「詩の死人」か、
若し、詩人がその生活の底に徹せず、
水草か、藻の花の美しさもて人をあざむき、
その魂の底の泥土の、澱めるものを、
闇をば見じと眼ふたげば。
 
 
 
 
生田春月の

詩人でないものは禍ひである!
されど
俗人こそは、「生の詩人」か

という言葉にうたれました。



 

 
 
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レ・ミゼラブル(23) ユーゴー

今日はビクトル・ユーゴーの『レ・ミゼラブル 第三部 マリユス』
『第七編 パトロン・ミネット』を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
 
 
前回、主人公マリユスは純情で生真面目な青年期を過ごしていました。友人から、「聖人ぶるのは止めるんだ」という忠告を受けるほどマリユスは本ばかり読んでいて、異性に対して免疫が無い状態なのでした。
 
 
マリユスは美青年というか絵になる男で、黒服を好む、黒髪のフランス人であるのです。マリユスはあまりにも潔癖であったために若い頃から一人で生きて、誰からも援助を受けずに服さえ買う金が無い、という状態に陥っていたのですが、その貧しい記憶が邪魔をして、それなりの社会人になってからも異性と親しく交われない、という状態になっていたのです。
 
 
マリユスは、街で老人と少女に出逢います。はじめはただ、街中でよくすれ違っているだけだった。この二人が主人公の老翁ジャンヴァルジャンとコゼットだったのです。マリユスは、成長し美しくなった少女コゼットに青年らしい恋愛感情を抱きます。名前も知らない相手なんですが、どうしても関係を作りたいという、マリユスの焦りが描写されます。
 
 
純真でありすぎる10代男子の恋愛感情というのは、たしかにこういう感じだった、と思わせます。ユーゴーはいろいろな人の心理を書き分けられるんですねえ、すごいです。恋の感情が鮮やかに描き出されています。
 
 




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ビクトル・ユーゴー作 豊島与志雄訳

レ・ミゼラブル 第一部 ファンティーヌ (モバイル対応テキスト版はこちら
第一編 正しき人
第二編 墜落
第三編 一八一七年のこと
第四編 委託は時に放棄となる
第五編 下降
第六編 ジャヴェル
第七編 シャンマティユー事件
第八編 反撃

レ・ミゼラブル 第二部 コゼット (モバイル対応テキスト版はこちら
第一編 ワーテルロー
第二編 軍艦オリオン
第三編 死者への約束の履行
第四編 ゴルボー屋敷
第五編 暗がりの追跡に無言の一組
第六編 プティー・ピクプュス
第七編 余談
第八編 墓地は与えらるるものを受納す

レ・ミゼラブル 第三部 マリユス (モバイル対応テキスト版はこちら
第一編 パリーの微分子
第二編 大市民
第三編 祖父と孫
第四編 ABCの友
第五編 傑出せる不幸
第六編 両星の会交
第七編 パトロン・ミネット
第八編 邪悪なる貧民






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ゲーテ詩集(25) 生田春月訳

今日は生田春月訳のゲーテ詩集(25)を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
 
 
今日もちょっと、ゲーテ詩集を翻訳した生田春月の詩を一つ紹介してみます。


漂流        生田春月     (生田春月全集1 p78)

我が人生にありしは、
大海にただよふ小舟にありて
一杯の飲み水を求むる者の、
水の中にありて水に渇くが如くなりき。
我は人間のただ中にありて、
一人の人間にこがれたり、
我が渇きを癒すべきただ一人に……


生田春月の憧れる相手は、妻の花世なのか、思い人なのか、あるいは与謝野晶子なのか、あるいはハイネか、ゲーテか、と想像していました。
 
 
ゲーテの詩に記された「残された喜びと/消え去つた苦痛とを/共に手をとつて/たのしく思ひ出す」という詩の一節がすてきだなと思いました。ゲーテは記します。

 
 
ふるい年と
新しい年との間に
ここに幸福を楽しむことを
運命は我々に許す
過ぎ去つた年は
こころやすく
前途を望ましめ
既往を囘顧せしめる
 
 

 
 
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