ゲーテ詩集(24) 生田春月訳

今日は生田春月訳のゲーテ詩集(24)を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
 
 
ゲーテの詩集を翻訳した生田春月という詩人のことをちょっと調べてみました。生田春月は、主にハイネの詩を愛読したんですが、ゲーテにもかなり傾倒している詩人です。生田春月はゲーテについての詩を幾つか書いているんですよ。2つ紹介します。


 ゲエテの言葉を    生田春月

 母が推しゆく乳母車のなかに、
 ましろき稚児(おさなご)ぞ安らかに眠れる。
 三あしに一たびのくちづけをも、
 汝れは嬉しと思はぬか、やよ稚児よ。
 故國をはなれて生きたれども、
 汝れは談らむ、美しきゲエテの言葉を。
 島國になき愛と力に充てる人の、
 ブロンドに日はかがやけり。
 われもし汝れの父ならば、
 汝れのごと楽しかるべき。
 
 
ふるさとを遠く離れた母子を見つめて、あなたはきっと、ゲーテの美しい言葉について語らいあうんでしょうね、と記した詩です。また、「一詩人の言葉」という詩でもゲーテのことを書いています。その一部を紹介します。
 
 
 一詩人の言葉  生田春月

 才なきものをして栄えしめよ、
 されど、才あるがゆゑに、
 滅びなばいかに悲しかるらん。
 世に知られで止むよきものは無しと、
 ゲエテは教えき。
 われは後代の眼を信ずるものなり。
 (さはれなどかく、われは生きたる)
 
 
生田春月は、ゲーテの才能にうたれて、まさに挫折を思い知った、ようなんですよ。それで自分のことを「才なきもの」と考えているようです。ゲーテは「よき人ならやはり世間に知られることになるよ」と説いています。生田春月はそれに対して、自分も未来に誰かから知られる「よき」ところがあるだろう、と考えます。
 
 
 
ゲーテはこう記しています。

 わたしは忘れる、忘れたい
 いかに不思議に運命がわたしを導くかを
 そしてああ、わたしは感ずる、遠くに近くに
 わたしにまだ沢山のものが用意されてゐるのを
 おお、それが間違つたものでないように!
 
 

 
 
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 ここからは新サイトの「ゲーテ詩集」を紹介します。縦書き表示で読めますよ。
 幼かった頃の夢想のことを、ゲーテは「黄金の空想よ」と記します。ゲーテの詩には、神話的なものと理知的なものが混在していて、これが魅力のように思います。ゲーテはゲルマン神話と、とくにギリシャ神話の影響が色濃いようです。
 この詩集は生田春月が翻訳をした作品です。ゲーテは政治家としても活躍し、かのナポレオンからも尊敬されていた作家で、その言葉を詩で楽しめるというのは、なんだか嬉しいように思います。

  

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