路傍の草 寺田寅彦

今日は寺田寅彦の「路傍の草」を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
 
 
寺田寅彦はエッセーの名手ですよ。枕の上と、トイレ中と、乗り物に乗ってるさなかが、あれなんであるというハナシです。あ、そういえば、小説のおもしろいのはまさに、この3つのうちのどれかなんだと思いましたよ。トイレですっごいことが思いつくのは、それはそこで体が縛られているけど、いろいろの用事を持ちかけられる心配をまぬがれている「自由な解放されたありがたい境地」だからだ、と寺田寅彦は読み解きます。小説でのトイレ中の話を思い出して、うーむ、そうだったのか、なるほどと思いました。
 
 
それで、遊びの場でですね難しい仕事をしているみたいな演説をやり始めてしまうやからに、ムッとする寺田寅彦がえがかれています。ぼくは、昔からどちらかといえばムッとされてしまうほうなので冷や汗をかきながら読みました。
 
 
最近、人工知能とプロ棋士のかたが団体戦をするという催しが行われたんですが、ぼくはすごくこう、感心するところとか悔しいところがあったんですよ。150年前とかに飛脚の仕事が廃止されたりとか、工業ロボットの登場で、手や足を使って働く人の居場所が無くなったりとか、それから印刷機械の発達で、口伝されてゆく社会の衰退があったりとか。
 
 
そういう作業機械の発達によって仕事の変化が起きてきて、今度は思考機械が発達してきた。頭を使う人の仕事が減ってしまったり、変化しつつある。プロ棋士の方が感じた無念というのは、別の形でぼくたちにも降りかかってくる可能性が高いので、感情移入して見ていました。そこで面白い話も聞けたんですよ。10年ほど前に、ディープブルーという機械がチェス王者に勝利してしまったんですが、現在の最強のチェス名人は、機械なのか、人間なのか? という問いがあるんです。答えはなんだと思いますか。じつは最強なのは機械でも無く、人間でも無いんです。ではなんなのかというと、機械と人の協力チームがもっとも強いのだそうです。さいきんは輸送業などで、このチェスの思考機械のような、配送ルートの最適化計算が行われていて、そのおかげで小荷物の運送事業が潤っているそうなのです。
 
 
寺田寅彦が現代の人工知能について随筆を書いたらもっと興味深いことが判るだろうになあ、と思いながらこのエッセーを読んでいました。
 
 

 
 
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 幼かった頃の夢想のことを、ゲーテは「黄金の空想よ」と記します。ゲーテの詩には、神話的なものと理知的なものが混在していて、これが魅力のように思います。ゲーテはゲルマン神話と、とくにギリシャ神話の影響が色濃いようです。
 この詩集は生田春月が翻訳をした作品です。ゲーテは政治家としても活躍し、かのナポレオンからも尊敬されていた作家で、その言葉を詩で楽しめるというのは、なんだか嬉しいように思います。

  

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