ゲーテ詩集(39) 生田春月訳

今日は生田春月訳のゲーテ詩集(39)を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
 
 
今回の詩は、春の自然を謳っています。見ることの楽しさというのが記されているんですよ。ゲーテは小説ではもっと難解な書き方をしているんですが、詩では平明な表現が多くて、判りやすいものが多いです。今日もこの詩を翻訳した生田春月の詩を紹介します。
 
 
生田春月・作(生田春月全集4)

生きとし生ける人の胸に
限りも知れぬ寂しさが、
雲のごとくに湧くときは、
離れ離れし人も相寄る。
寂しき心、この心
痛み傷つき、相寄れば、
冬枯の野も花咲かん、
花は心のまことのみ。

 
ゲーテの「四月」という詩が謎めいていて美しいです。ゲーテはじぶんたちの眼が視ることについて詩に描いているんですよ。そして自分自身の瞳のことについてを、こう書くんです。ものさみしく、みえなくなった眼でありながら、とうとう尊いまなざしを見つけたときに……
原文はこうです。


そんなにものうひ盲(めし)ひた眼の下に
たうとう正(まさ)しく尊重出来る
眼附を見つけたその時
 
 
この謎の解明にすっかりふけっているうちに、わたしのまなざしの秘密を解き明かすように、おまえたちをも導いてしまう……
ゲーテはこう記します。
 
 
この暗号文字の研究に
すつかり耽つてゐるうちに
わたしの眼の暗号文字を読むように
おまへたちをもさせてしまふ
 
 
何回か読みこんでいるうちに、おぼろげにゲーテの意図がみえてくるように思えます。
 
 

 
 
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 幼かった頃の夢想のことを、ゲーテは「黄金の空想よ」と記します。ゲーテの詩には、神話的なものと理知的なものが混在していて、これが魅力のように思います。ゲーテはゲルマン神話と、とくにギリシャ神話の影響が色濃いようです。
 この詩集は生田春月が翻訳をした作品です。ゲーテは政治家としても活躍し、かのナポレオンからも尊敬されていた作家で、その言葉を詩で楽しめるというのは、なんだか嬉しいように思います。

  

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