ファウスト(33) ゲーテ

今日はゲーテの「ファウスト」その(33)を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
 
 
前回、ワルプルギスの夜というのがふたたび描かれました。これはファウスト第一部でのラストシーン間近のところで描かれた悪魔たちのお祭りと同じものなんですが、古代のワルプルギスの夜という、さらに怖ろしい集いのようです。巨大な蟻とかスフィンクスとかあらゆる生きものが登場してきて非現実的な登場人物ばかりなんですが、ゲーテが描くとどんなものでも知的になるのが、すごいなーと思います。魔女エリヒトオというのがこう言うんですよ。
 
 
 やくざ詩人共が度はずれに
 悪く云う程、わたしは悪い女ではない。一体詩人は
 褒めるにも毀(そし)るにも止所(とめど)がない。
 
それから戦について、こう語ります。

 大きな争の実例があったのだ。
 暴力がそれより強い暴力に抗して、千の花を
 編み込んだ、自由の美しい飾の輪が破れ、
 こわい月桂樹の枝が王者の頭に巻き附いた。
 
 
たしかに詩人は宇宙的な感覚というか、無限なものというのをうまく言葉にしてゆくんだよなあと思います。すごい人はなにを表現してもこう、面白くできるんだなあ、すごいなあと感じました。どうも語彙が不足していて、すごいなあとしか言えないんですが。
 
 
印象としてはたぶんこのヒエロニムス・ボスの絵画みたいな不気味な場所に、主人公は居るんだと思うんです。ファウストは美しい女ヘレネの行方を捜して、炎の迷路というのをさまよっているんです。スフィンクスはファウストの問いに答えて、「わたしの生きていた時代にはヘレネはもう居なかった」と言うんです。様々な時代に生きたあらゆるものたちが主人公の前で、いろいろなことを言うのであります。ファウストはこの古代の集いを眺めながらこう言います。


 実に驚歎に価する。観照だけで満足だ。
 醜怪の中に偉大な、力のある趣が見える。
 なんだか前途の幸運が予想せられる。
 この真率な一目は己に何を想い出させるだろう。
 
 

 
 
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 幼かった頃の夢想のことを、ゲーテは「黄金の空想よ」と記します。ゲーテの詩には、神話的なものと理知的なものが混在していて、これが魅力のように思います。ゲーテはゲルマン神話と、とくにギリシャ神話の影響が色濃いようです。
 この詩集は生田春月が翻訳をした作品です。ゲーテは政治家としても活躍し、かのナポレオンからも尊敬されていた作家で、その言葉を詩で楽しめるというのは、なんだか嬉しいように思います。

  

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