ファウスト(45) ゲーテ

今日はゲーテの「ファウスト」その(45)を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
 
 
いよいよファウストの終幕です。前回、4人の女というのが登場したのですが、それぞれ特別な名前を持っています。不足・憂・罪・悩という4人です。罪という概念が女の形をとってなにかを言っていくんですけど。そのセリフがすごく粋というか、不思議というか、すてきなんですよ。
 
 
名を問われると「わたしの名は罪だ」と言う。戸が閉まっていて入れないという状態が判ると、ちょっと呆れかえって「わたしなんでもなくなるわ」と言う。みんなで一緒に逃げようということになると「わたしお前さんの傍に引っ附いて行ってよ」と言う。たしかに「罪」という存在がなにかいかにもやっていそうなことをするなあーと思いました。
 
 
主人公ファウストは、これらの概念的なものたちの存在を察知しながら、自身の人生について振り返ります。まやかしから解放されて、自然界に向かい合って暮らしてゆければ、それが生きる価値としてもっともふさわしいことだろう、とファウストはつぶやきます。ほんとに詩の言葉で編み出された物語なので、主人公の言うことがいちいち詩として質が高いんですよ。いちいちうなりながら読んでいます。これ読み終えたらもう、こうやってゲーテの詩は読めないんだなーと思うとじつに残念でしょうがありません。主人公はこう述べます。
 
 
 夜が己を夢の網に捕えてしまう。
 心嬉しく新草の野を見て帰れば、鳥が啼く。
 なんと啼くか。凶事と啼きおる。
 
 
そうして全てが過ぎ去って「憂い」という女だけがファウストのそばに佇んでいるんです。憂は、そっと息を吹きかけて、彼の眼をふたぎ、めしいだファウストは暗闇の中で、あるものを見ます。森鴎外訳の原文はこうです。
 
 
 夜が次第に更けて来たらしい。
 だが心の中には明るい火が赫いている。
 
 
ファウストは、大地を耕すよう、鍬を鋤を手にとろうと人々に告げます。
 
 

 
 
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 幼かった頃の夢想のことを、ゲーテは「黄金の空想よ」と記します。ゲーテの詩には、神話的なものと理知的なものが混在していて、これが魅力のように思います。ゲーテはゲルマン神話と、とくにギリシャ神話の影響が色濃いようです。
 この詩集は生田春月が翻訳をした作品です。ゲーテは政治家としても活躍し、かのナポレオンからも尊敬されていた作家で、その言葉を詩で楽しめるというのは、なんだか嬉しいように思います。

  

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