神曲 地獄(27) ダンテ

今日はダンテの「神曲 地獄篇」第二十七曲を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
 
 
炎に包まれた魂は「故郷はいま平和か戦時中か」と問います。ダンテはこれについて詳細に答えました。
 
 
世界でもっとも有名な偽書である「コンスタンティヌスの寄進状」にも記されているのですが、コンスタンティヌス1世はシルウェステルにハンセン病を治療してもらって、そのお礼として東ローマ帝国の独立を認めた、という伝説があったのですが……。
 
 
これと同じように、この地獄で炎に包まれている魂は、かつてフランチェスコ会士だったのですが、シルウェステルのように、ボニファティウス8世(ローマ教皇)から助言を求められたのです。「いかにして敵国を陥落させるか」これにこう答えてしまった。「敵国と長い約束をしておいて、少ししか守らぬ、そうすれば勝てるでしょう」権謀術数です。そのずっとのち彼が死ぬとき、聖フランチェスコが天国へ導きに来たのですが、これを黒き天使が阻んだ。黒き天使いわく「あれ以来わたしはずっと背後からつけていた。悔いない者を許すことはできない。悔いる者が、悪意を再び生じさせることは無いのだ」といって地獄へ連れ去ったのでした。それにしても、これほど悪の多様性を描いた作品は他に無いなと思いました……。善の姿はシンプルであるのに対して、悪には非常に独特な個別性があって、ダンテはあらゆる偉人たちの悪を描いたのでした。天堂篇ではいったい、どういうように善について描いてゆくんだろうと、まだ読んでいないので非常に気になります。
 
 

 
 
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 幼かった頃の夢想のことを、ゲーテは「黄金の空想よ」と記します。ゲーテの詩には、神話的なものと理知的なものが混在していて、これが魅力のように思います。ゲーテはゲルマン神話と、とくにギリシャ神話の影響が色濃いようです。
 この詩集は生田春月が翻訳をした作品です。ゲーテは政治家としても活躍し、かのナポレオンからも尊敬されていた作家で、その言葉を詩で楽しめるというのは、なんだか嬉しいように思います。

  

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