神曲 浄火(10) ダンテ

今日はダンテの「神曲 浄火篇」第十曲を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
 
 
ついに煉獄の門をくぐり、山を登りはじめたダンテと師なのですが、ここでは七つの大罪のうちの、高慢の罪をつぐなう、というのが中心となっています。この世のものとは思えないほど美しい大理石の像がたちならぶ道をゆきながら、ダンテはマリア像のあまりの美しさに思わず見とれてしまいます。師はそれを、やさしくいさめます。しかし、そのあまりにもリアルな彫像たちに、どうしても見入ってしまいます。
 
 
あのー、ユダヤ教やイスラム教では偶像崇拝を完全に禁じているそうなんですけれども、こんかいの章を読んでそういう教義を長年持続させてきた理由も判らないこともないなあと思いました。ダンテはキリスト教とギリシャ神話を中心とした物語を記しているので、もちろん彫像は大きな価値を持つわけなのですが。
 
 
ここから物語は、なにか哲学的な展開をしはじめます。向こうから煉獄の人々がやってくると師は言うのですが、しかしダンテの目には、それが人の姿には見えないのです。重い刑罰のために、まるで地面に体が張りつくようになってしまった人々がいるのでした。ダンテは心の内で、彼らにこう語りかけます。「天使のごとき丸裸の、しかも裁きを受ける蝶になる運命をもって生まれた、虫のようにうごめく人間であることに、おまえたちはなぜ気付かない? なぜおまえは裁きに向かって、そう気品たかく舞いあがろうとするのだ? まだ羽化さえ出来ぬさなぎでありながら」山川訳はこうです。
 
 
知らずや人は、裸のまま飛びゆきて審判(さばき)をうくる靈體の蝶を造らんとて生れいでし蟲なることを
汝等は羽ある蟲の完(まつた)からず、這ふ蟲の未だ成り終らざるものに似たるに、汝等の精神(たましひ)何すれぞ高く浮び出づるや



 
 
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 幼かった頃の夢想のことを、ゲーテは「黄金の空想よ」と記します。ゲーテの詩には、神話的なものと理知的なものが混在していて、これが魅力のように思います。ゲーテはゲルマン神話と、とくにギリシャ神話の影響が色濃いようです。
 この詩集は生田春月が翻訳をした作品です。ゲーテは政治家としても活躍し、かのナポレオンからも尊敬されていた作家で、その言葉を詩で楽しめるというのは、なんだか嬉しいように思います。

  

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