カメラをさげて 寺田寅彦

今日は寺田寅彦の「カメラをさげて」を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
 
 
寺田寅彦が、1931年の、東京の町並みのことを語っています。モノクロの映像で見るよりも、寺田寅彦の的確な文章表現で読んだほうが、当時の風景が見えてくるのが不思議だなあと思いました。一部だけを抜粋すると、その雰囲気が伝わらないんですけど、こう記されています。
 
 
  極端な古いものから極端な新しいものまでが、平気できわめてあたりまえな顔をして隣り合い並び立って、仲よくにぎやかに一九三一年らしい東京ジャズを奏しているのである。
 
 
あと、太古の日本人はどこから来たかと言うことについて、「世界のあらゆる方面から自然にこの極東の島環国に集中した種族の数は決して二通りや三通りでなかったであろうということは、われわれの周囲の人々の顔の中にギリシア型、ローマ型、ユダヤ型をはじめインディアン型、マレイ型、エスキモー型からニグロ型までことごとく標本的に具備しているという簡単な事実からでも想像される」と書いていて、たしかにギリシア人みたいに整っている顔立ちの日本人もたまに居るよなと思いました。自分はマレー人みたいな顔なんですが。イギリスのグラスゴー大学の学者さんが、世界中の平均的な美人顔を算出していて、見ていて面白かったです。日本人の顔がちょっとリアルすぎて美人に思えないのはなぜなんだろうと思いました。
 
 
日本人の特徴は、カメラが好きなところだよ、と寺田寅彦は言うんですよ。どうしてかというと、環境が日本各地でじつに多様で、その環境に適応するように日本人が生きてきたからだと言うんです。寺田寅彦はそのことをじつに流暢に記していて、魅了されました。全文を読んでみてほしいんですが、ちょっと抜粋してみます。寺田寅彦はこう記します。
 
 
  日本のように多種多様な地質気候がわずかな距離の範囲内で錯雑した国であってこそ、はじめて風景という言葉がほんとうに生きて働いて来るような気がするのである。こういう風景国日本に生まれた旅客にカメラが欠くべからざる侶伴であるのも不思議はないであろう。



 
 
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 幼かった頃の夢想のことを、ゲーテは「黄金の空想よ」と記します。ゲーテの詩には、神話的なものと理知的なものが混在していて、これが魅力のように思います。ゲーテはゲルマン神話と、とくにギリシャ神話の影響が色濃いようです。
 この詩集は生田春月が翻訳をした作品です。ゲーテは政治家としても活躍し、かのナポレオンからも尊敬されていた作家で、その言葉を詩で楽しめるというのは、なんだか嬉しいように思います。

  

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