不思議な魚 室生犀星

今日は室生犀星の「不思議な魚」を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
 
 
室生犀星は萩原朔太郎と同時代の詩人なんですが、童話も書くようです。この童話は、とても奇妙な雰囲気が漂います。漁村に妖しい夜店がでている。強欲な見世物小屋風のおじさんが、白く美しい魚を「人魚だ」と言って売っている。描写の細部までが美しい童話です。ごく一般的な文体で書かれているんですが、どうも迫力があるんです。漁の描写なども、とくになんということもないことを書いているのに、眼に鮮やかに記憶されるような、光景描写なんです。
 
  
内容は日本の昔話らしい物語です。夜になるとじつに美しい歌を歌うという、白い魚たちが、夜店で売りに出されている。そうしてその小さな魚は、主人公の青年にささやきかけて、海に逃がしてくれと願う。青年はその声を聞いて、ガラスに閉じ込められた可哀想な魚を二匹だけ買って逃がしてやる。この一文が、物語中で美しく感じました。
 
 
  気がつくともう白い魚は瓶の中にいませんでした。唯、海の音がこうこうと鳴っているばかりであった。
 
 
後半の漁師たちが鰯の大群を追う、その仕事ぶりの描写がじつに秀逸で、魅了されました。
 
 

 
 
以下の「シンプル表示の縦書きテキスト」をご利用ください。(縦書きブラウザの使い方はこちら
https://akarinohon.com/migration/fushigina_sakana.html
(約20頁 / ロード時間約30秒)
★シンプル表示の縦書きテキストはこちら
 
 
 
 






明かりの本は新サイトに移行しました!

URLの登録変更をよろしくお願いいたします。



明かりの本 新サイトURL

https://akarinohon.com

(Windowsでも、なめらかな縦書き表示になるように改善しました!)

appleのmacやタブレットやスマートフォンなど、これまで縦書き表示がむずかしかった端末でも、ほぼ99%縦書き表示に対応し、よみやすいページ構成を実現しました。ぜひ新しいサイトで読書をお楽しみください。











 ここからは新サイトの「ゲーテ詩集」を紹介します。縦書き表示で読めますよ。
 幼かった頃の夢想のことを、ゲーテは「黄金の空想よ」と記します。ゲーテの詩には、神話的なものと理知的なものが混在していて、これが魅力のように思います。ゲーテはゲルマン神話と、とくにギリシャ神話の影響が色濃いようです。
 この詩集は生田春月が翻訳をした作品です。ゲーテは政治家としても活躍し、かのナポレオンからも尊敬されていた作家で、その言葉を詩で楽しめるというのは、なんだか嬉しいように思います。

  

縦書き文庫の装画
装画をクリックするか、ここから全文を読んでください。 (使い方はこちら) (無料オーディオブックの解説)
(総ページ数/約10頁 ロード時間/約10秒)
 
『ゲーテ詩集』全文を読むにはこちらをクリックしてください













top page ・本屋map ・図書館link ★おすすめ本 ★書籍&グッズ購入