神曲 浄火(28) ダンテ

今日はダンテの「神曲 浄火篇」第二十八曲を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
 
 
前回、ダンテの師ウェルギリウスが別れの言葉を投げかけたのですが、それがじつに良かったですよ。ウェルギリウスはダンテの地獄踏破をすべて見守っていたわけなのですが、天堂には自分で歩いてゆけと言った。「おまえを照らしている太陽を見ろ。大地から自然に生える草木を見ろ。天上のベアトリーチェが涙をこぼしてわたしを遣わせた。彼女が喜びとともに訪れる時まで、おまえは自由にしていると良い。ここまで来れば、もはやわたしの助言は必要ない。おまえの意志は自由にすこやかにある。おまえはおまえ自身を主として生きている」
山川訳はこうです。
 
 
汝の額を照す日を見よ、地のおのづからこゝに生ずる若草と花と木とを見よ
涙を流して汝の許に我を遣はせし美しき目のよろこびて來るまで、汝坐するもよし、これらの間を行くもよし
わが言(ことば)をも表示(しるし)をもこの後望み待つことなかれ、汝の意志は自由にして直く健全(すこやか)なればそのむかふがまゝに行はざれば誤らむ
是故にわれ冠と帽を汝に戴かせ、汝を己が主たらしむ。

 
煉獄の山の、天堂にほど近い野原で、ダンテたちはマテルダ夫人という女に出会います。彼女はもうほとんど天堂と言って良いような、美しい自然界を案内します。師ウェルギリウスは消え去ったわけでは無く、案内を終えてダンテを自由に歩かせるのでした。永遠の平穏を与えられた地には草花が咲きほこり、女たちが幸せに暮らしています。ちょっと、山に囲まれたスイスの平和な暮らしというのを想像しました。地質によって平和がもたらされた地なのであります。永久に枯れることの無い泉から流れてきた二つの川があります。レテの川と、エウノエの川です。師ウェルギリウスが、この旅の最後に聞いた言葉はこんなのです。
 
 
ここに罪なくして人住みぬ、ここにとこしへの春とすべての実あり
 
 
人々が口にする甘露とはこの世界のたべもののことなのでありました。
 
 

 
 
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 幼かった頃の夢想のことを、ゲーテは「黄金の空想よ」と記します。ゲーテの詩には、神話的なものと理知的なものが混在していて、これが魅力のように思います。ゲーテはゲルマン神話と、とくにギリシャ神話の影響が色濃いようです。
 この詩集は生田春月が翻訳をした作品です。ゲーテは政治家としても活躍し、かのナポレオンからも尊敬されていた作家で、その言葉を詩で楽しめるというのは、なんだか嬉しいように思います。

  

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