貧しき信徒(11) 八木重吉

今日は八木重吉の「貧しき信徒」を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
 
 
今回の「涙」という詩を読んでいて、これはじつに独特なものだと思いました。現代詩ではほとんどまったく表現されない、JPOP音楽の歌詞よりもさらに単純な詩があって、現代書店で並ぶような詩集で、このようにシンプルなものは他にはないんじゃないだろうかと思いました。
 
 
それから、「お銭」と書いて「おあし」と読むのかと、知らないことを今日もまたひとつ知ったなと思いました。このまえ、ユダヤ教の教えにかんする文章を読んでいて、ユダヤ教では「空っぽの財布というのは、不幸の元凶になるから気をつけなさい」と言うような訓告があって、このまえたしかにそうだと思って納得をしていたんです。図書館をしょっちゅう利用しつつ、このように金の生じないサイトを作ってる自分としては気まずい話なんですが。
 
 
「水や草は……」という詩と、自然界を捉えた詩はほんとに、これを読みたかったんだ! と唸りました。
 
 

 
 
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芸術家の告白祈祷 ボードレール

今日はボードレールの「芸術家の告白祈祷」を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
 
 
このまえ、ダンテが三段論法という古典哲学について書いていたので、ちょっと三段論法の誤謬について調べていました。
 
 
小説の世界では、あえて非論理性をハデにすることで、論理の失敗を楽しむ場合が多くて、これの顕著なのは、ルイスキャロルの「アリス」の不思議な物語で、作者は論理学者でもあったので、どのような非論理がありえるか、ということを小説の中で繰りかえし描きだしたそうです。
 
 
NHK高校講座の論理学のサイトでも記されているんですが、論理学上のマチガイを、目立ちやすくして物語化すると、これが何とも言えずおもしろいんです。くわしくは、NHKのサイトを見てもらいたいんですが、ルイスキャロルは三段論法上のマチガイをおもしろおかしい物語にしています。
 
 
たとえば、アリスは、こんなふうにして、三段論法の誤謬に巻きこまれてしまいます。
(1)アリスはメイドのエプロンドレスを着ている。
(2)メイドといえばメアリーアンだ。
(3)よってアリスはメアリーアンだ。
アリスはなんだか変だなと思いながら、自分がメアリーアンだと思い込んでしまいます。
 
 
あと、他のシーンでは、アリスはこんなマチガイを言ってしまいます。
「う~ん。私は思ったことを言いたいんじゃなくて、言った事を思ったの。それって同じ事でしょ!」
するとみんなは「えっ?」と思う。
 
 
それから帽子屋は、アリスにこう指摘する。 
「それじゃあ『見たものを食べる』ってのと『食べるものを見る』ってのが同じことだと言ってるみたいなもんだ」
 
三月ウサギはこんなことを言います。
「『もらえるものは好きだ』ってのと『好きなものがもらえる』ってのが同じだ、みたいな!」
 
 
作者のルイスキャロルは、三段論法や論理学でおちいりがちなマチガイをハデに表現して、読者を論理の入口にみちびき、子どもたちを遊ばせるような物語を作ったのでした。
 
 
三段論法ってなんだろうかという方は、ぜひNHKの高校講座ウェブサイトを見てください。8分の動画が10本あって合計80分で、論理学の初歩を学べますよー。また80分ぶんの内容がテキストでもまるまる読めます。
 
 
ところでボードレールはこの「芸術家の告白祈祷」という短い詩で、三段論法も演繹法も無しに、音楽的に絵画的に染み入るような感覚を表出させる空と海に、あふれるような眼差しを向ける人間のことを描いています。
 
 

 
 
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神曲 天堂(10) ダンテ

今日はダンテの「神曲 天堂」第十曲を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
 
 
今回ダンテは、太陽天というところを旅しています。アルベルトゥス・マグヌストマスアクィナスが登場します。
 
 
ダンテはこの章で、宇宙の偉大さを語るんですが。13世紀末に生きたダンテは、宇宙のことをこんなふうに述べています。「自然のきわめて巨きな家来である、宇宙ぜんたい。天の光を、世界にあまねく広め、時を刻むもの。じょじょに日の出が早くなり、星々とあわさり、らせん状の軌跡をたどりつつ回転をつづけている」平川祐弘の現代語訳ではこう記されています。
 
 
 天の力を世界に刻し、
 その光により私たちのために時を刻む
 自然の最大の家臣は、
 先にふれた星々と合すると、
 刻々と日の出が早くなる
 螺旋状の軌跡を辿りつつ回転を続けた。
 
 
山川丙三郎の翻訳では、こうなんです。
 
  
自然の最(いと)大いなる僕(しもべ)にて、天の力を世界に捺(お)し、かつ己が光をもてわれらのために時を量(はか)るもの

わがさきにいへる處と合し、かの螺旋(らせん)即ちそが日毎ひごとに早く己を現はすその條(すぢ)を傳ひてめぐれり
 
 
何とも言えず、すごい詩だなあと思いました。ダンテは、宇宙のありさまを、人々の生の営みの歴史と結びつけて描き、太陽をひとつの到達点として記しています。ダンテはベアトリーチェによって、善から次の善へと運ばれてゆき、辿りついた太陽天は、もはや色彩さえ認識できない、光の世界です。
 
 
それから、ダンテは三段論法のことを述べていて、ちょっといろいろ三段論法の誤謬について調べていました……。



 
 
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メリイクリスマス 太宰治

今日は太宰治の「メリイクリスマス」を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
 
 
今日はクリスマスなので、なにかそれに関連したものをと探して、これを見つけました。自分は宗教の知識に疎いんですが、最近ダンテ神曲の天堂篇を読んでいるので、どうにもキリスト教ってなんなのか、が気になります。たとえばグーグルで「青空文庫 キリスト 太宰治」と検索すると、太宰治がキリストに関するなにを重大視したのか、を調べることができます。太宰治は、他の随筆で「なるべく正直にやっていれば、失敗することはないんだ」と書いていたりするんですが、最近のぼくは失敗続きで、自分の中にどういうゴマカシがあるのか、ちょっと考えないといかんなあと思いました。
 
 
太宰治は、この「メリイクリスマス」という小説で「唯一のひと」の、四つの条件というか、四つの特徴というのを書いているのですが、なるほどと唸りました。母子の両方に恋愛の関係を求める主人公はじつに節操がないんですが、太宰治は戦中戦後を描くときでも、平常心というか、静かな筆致で、これはすごいことなんじゃないかなと思いました。太宰はしかし、どうして恋愛の約束さえ交わしていない少女にたいして、まったく恋人のように書いてしまうのか、じつに多感な作家なんだなあ……と思っていたら、とつぜん真相が明かされて、はっと息をのむ展開があって驚きました。
 
 

 
 
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神曲 天堂(9) ダンテ

今日はダンテの「神曲 天堂」第九曲を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
 
 
今回、詩の言葉が印象に残りました。「天堂では悦びによって光が強まってゆき、世に笑顔の広がるかのようだ。しかし地上の人々は悲しさに染まり、たましいは闇を深くし、そうして影がひろがる」山川訳はこうです。
 
 
上にては悦びによりて、強き光のえらるゝこと、世にて笑のえらるゝ如し、されど下にては心の悲しきにつれて魂黒く外にあらはる
 
 
ダンテは天堂に住む魂にこう語りかけます。
 
 
「神は万物を見るが、天堂に居るあなたも、あらゆるものが見えるのでしょう。その君が、どうして私の願いを見てはくれないのだ?」
 
 
第九曲で登場する魂は、じつに個性的なもので、かつて生きていた頃に恋と情愛というものをたいへんに盛んに燃やしていたと言うんですよ。そういう者であっても天堂に入れば、みなおだやかに微笑をしていると。私の罪はもはや念頭に思いうかばないから、罪に涙することも無いのだ、とおっしゃられるんであります。どこの政治家やねんと、思うんですが。
 
 
「はじめて神にそむき、ねたみによって歎きを残した人々の建てた、あなたがたの街。それは呪いの花を生んで、散らした。呪われた花は、牧者をオオカミに化けさせ、小羊をさまよわせた……」
 
 
やはり天堂にいる人々が語りかける、日本語訳の、詩の言葉というのが美しいです。山川訳でどうぞ。
 
 
はじめて己が造主(つくりぬし)に背(そむ)き、嫉(ねたみ)によりて深き歎きを殘せる者の建てたりし汝の邑(まち)

(のろひ)の花を生じて散らす、こは牧者を狼となして、羊、羔(こひつじ)をさまよはしゝもの




 
 
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貧しき信徒(10) 八木重吉

今日は八木重吉の「貧しき信徒」を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
 
 
「犬」という詩を読んで、事実の迫力というのを、思い知りました。ぼくも犬を飼っていたことがあるので、たしかに、犬ってこういうことやっちゃうと、思いました。昔は衛生が今ひとつで、今より長生きがむずかしかっただろうなあー、と思いました。
 
 
八木重吉が書くと、「きたない」という文字からでも、独特な意識というのが感じられると思いました。「きたないこどもが/くりくりと/めだまをむいて…………」という表現は、ちょっと衝撃的です。
 
 
今回の詩を読んでいて、暖房も服もまだ充実していない当時の冬が、貧しい人々にとって過酷なもので、春になると生の喜びが充足した、ということが明らかに伝わってきました。
 
 

 
 
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神曲 天堂(8) ダンテ

今日はダンテの「神曲 天堂」第8曲を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
 
 
今回、ダンテたちは金星天を旅しています。もはや地球ははるか、かなたです。カルロ・マルテッロ・ダンジョが、ダンテにさまざまなことを教えます。
 
 
宇宙や自然界には、必要なものが不足し得ない、ということを語るわけなのですが、その書き方がなんだか詩的すぎて、超絶にむつかしいんであります。
 
 
それから、自然な流れで戦士となるべく生まれたものを無理やり宗門に入れたり(法然は、えらい坊さんになるまえに、うっかり仇討ちの武士になりかけて危うい少年時代を送ったそうですが)、自然に評論家になってゆくようなものを権力者にしたりするもんだから、さまざまに道を踏み外すものがでてしまうんだと、ダンテ自身がまさに、一大詩人になるはずの人間だったのに、やたらと政争に巻きこまれてたいへんだったわけなんですが。
 
 
そういう自然な流れを壊してしまう、不幸の元凶に気をつけろと、妙に現代的なことも言ったりしていました……。
 
 

 
 
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