神曲 天堂(7) ダンテ

今日はダンテの「神曲 天堂」第七曲を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
 
 
今回は水星天というところを旅しています。今回、ダンテがかなり重大な問いを、ベアトリーチェに訴えようとするんです。ところが、あまりに重大すぎて、それを言うことさえはばかられてしまった。しかし、すべてをお見通しのベアトリーチェは、ダンテの疑問にはっきりと答えてくれるのです。
 
 
それは、正義と復讐の連鎖についてであるのです。具体的には、キリストが、人々のすべての罪を背負って、すべての人々を許すために自ら罰を受けることを決めた、そのことを書いています。十字架にかけられたキリストは、神曲のベアトリーチェによればこのように語られています。
 
 
「生まれながらにして全ての者がもつ罪を認識した、人間キリストにとってきわめて正しい罰の受け方であったが、神が遣わしたキリストが人間によって罰を与えられることはきわめて不当な非礼でもあった」またこう告げています。「キリストの死は、神にとってもユダヤ人やキリスト者たちにとっても、きわめて重大なことであった。キリストの死によって、地は震え、天が開かれた」天国が開かれた、とはいったいどういうことを言うのでしょうか。山川訳がすごくて、こう記しています。
 
 
 されば一の行爲(おこなひ)より樣々(さまざま)の事出でぬ、そは一の死、神の聖意(みこころ)にも猶太人(ジュデーア)びとの心にも適ひたればなり、この死の爲に地は震ひ天は開きぬ
 
 
ベアトリーチェは「自分たちの考える正義が、のちに報復を加えられたとしても、キリストの受難のことを深く考えたのならば、戸惑うことはないのです」と述べます。「全ての人が罪を犯し、楽園から遠く追われてしまった。そうしたものを人間が恢復するには、神による慈愛によって許されるか、自ら困難に立ち向かい満足のゆくところまでゆくしかない。しかし自力ではどうしても辿りつけないことばかりだ」
 
 
また「水や、空気や、土が、腐敗するのはなぜか。神がつくりあげたものが、なぜ腐敗をするのか」という問いに対して、導女ベアトリーチェはたましいの連続性と、復活についてを語るのでした。
 
 
読んでいると、親鸞の他力本願や、般若心経とも共通することが語られていて、たいへんに宗教的な問題が記されていると思いました……。
 
 

 
 
以下の「シンプル表示の縦書きテキスト」をご利用ください。(縦書きブラウザの使い方はこちら
https://akarinohon.com/migration/dante3_07.html
(約30頁 / ロード時間約30秒)

★シンプル表示の縦書きテキストはこちら 横書きはこちら
 
 
全巻通読はこちら
https://akarinohon.com/dante/
 






明かりの本は新サイトに移行しました!

URLの登録変更をよろしくお願いいたします。



明かりの本 新サイトURL

https://akarinohon.com

(Windowsでも、なめらかな縦書き表示になるように改善しました!)

appleのmacやタブレットやスマートフォンなど、これまで縦書き表示がむずかしかった端末でも、ほぼ99%縦書き表示に対応し、よみやすいページ構成を実現しました。ぜひ新しいサイトで読書をお楽しみください。











 ここからは新サイトの「ゲーテ詩集」を紹介します。縦書き表示で読めますよ。
 幼かった頃の夢想のことを、ゲーテは「黄金の空想よ」と記します。ゲーテの詩には、神話的なものと理知的なものが混在していて、これが魅力のように思います。ゲーテはゲルマン神話と、とくにギリシャ神話の影響が色濃いようです。
 この詩集は生田春月が翻訳をした作品です。ゲーテは政治家としても活躍し、かのナポレオンからも尊敬されていた作家で、その言葉を詩で楽しめるというのは、なんだか嬉しいように思います。

  

縦書き文庫の装画
装画をクリックするか、ここから全文を読んでください。 (使い方はこちら) (無料オーディオブックの解説)
(総ページ数/約10頁 ロード時間/約10秒)
 
『ゲーテ詩集』全文を読むにはこちらをクリックしてください













top page ・本屋map ・図書館link ★おすすめ本 ★書籍&グッズ購入