芸術家の告白祈祷 ボードレール

今日はボードレールの「芸術家の告白祈祷」を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
 
 
このまえ、ダンテが三段論法という古典哲学について書いていたので、ちょっと三段論法の誤謬について調べていました。
 
 
小説の世界では、あえて非論理性をハデにすることで、論理の失敗を楽しむ場合が多くて、これの顕著なのは、ルイスキャロルの「アリス」の不思議な物語で、作者は論理学者でもあったので、どのような非論理がありえるか、ということを小説の中で繰りかえし描きだしたそうです。
 
 
NHK高校講座の論理学のサイトでも記されているんですが、論理学上のマチガイを、目立ちやすくして物語化すると、これが何とも言えずおもしろいんです。くわしくは、NHKのサイトを見てもらいたいんですが、ルイスキャロルは三段論法上のマチガイをおもしろおかしい物語にしています。
 
 
たとえば、アリスは、こんなふうにして、三段論法の誤謬に巻きこまれてしまいます。
(1)アリスはメイドのエプロンドレスを着ている。
(2)メイドといえばメアリーアンだ。
(3)よってアリスはメアリーアンだ。
アリスはなんだか変だなと思いながら、自分がメアリーアンだと思い込んでしまいます。
 
 
あと、他のシーンでは、アリスはこんなマチガイを言ってしまいます。
「う~ん。私は思ったことを言いたいんじゃなくて、言った事を思ったの。それって同じ事でしょ!」
するとみんなは「えっ?」と思う。
 
 
それから帽子屋は、アリスにこう指摘する。 
「それじゃあ『見たものを食べる』ってのと『食べるものを見る』ってのが同じことだと言ってるみたいなもんだ」
 
三月ウサギはこんなことを言います。
「『もらえるものは好きだ』ってのと『好きなものがもらえる』ってのが同じだ、みたいな!」
 
 
作者のルイスキャロルは、三段論法や論理学でおちいりがちなマチガイをハデに表現して、読者を論理の入口にみちびき、子どもたちを遊ばせるような物語を作ったのでした。
 
 
三段論法ってなんだろうかという方は、ぜひNHKの高校講座ウェブサイトを見てください。8分の動画が10本あって合計80分で、論理学の初歩を学べますよー。また80分ぶんの内容がテキストでもまるまる読めます。
 
 
ところでボードレールはこの「芸術家の告白祈祷」という短い詩で、三段論法も演繹法も無しに、音楽的に絵画的に染み入るような感覚を表出させる空と海に、あふれるような眼差しを向ける人間のことを描いています。
 
 

 
 
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 幼かった頃の夢想のことを、ゲーテは「黄金の空想よ」と記します。ゲーテの詩には、神話的なものと理知的なものが混在していて、これが魅力のように思います。ゲーテはゲルマン神話と、とくにギリシャ神話の影響が色濃いようです。
 この詩集は生田春月が翻訳をした作品です。ゲーテは政治家としても活躍し、かのナポレオンからも尊敬されていた作家で、その言葉を詩で楽しめるというのは、なんだか嬉しいように思います。

  

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