読書と著書 矢内原忠雄

今日は読書と著書 矢内原忠雄を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
 
 
これは、古典がどういうように楽しいかということを書いている、ごく短い随筆です。
 
 
最近は、テレビとかマンガとかで、古事記や源氏物語の要点を伝えて紹介しているものが多いので、素人の自分たちが古典の入口に立つことは容易になってきたと思います。矢内原は、ぜひ古典を良い翻訳で、全文読んでみてくれと、書いています。
 
 
矢内原は、古典は現代人がどうしても言えなくなってしまった、ほんとうのことを率直に書いているのが良い、と述べます。たしかにたとえばダンテのあの徹底的な善悪の追及は、現代人が書きようのないことのように思えます。矢内原忠雄は1937年の戦時中に、国家への批判の必要性を説いており、かなり厳しい時代をすごしたようです。くわしくはwikipediaに書いているのですが、矢内原はこう主張しています。
 
 
 国家が目的とすべき理想は正義であり、正義とは弱者の権利を強者の侵害圧迫から守ることであること、国家が正義に背反したときは国民の中から批判が出てこなければならない
 
 
現代にぴったりと当てはまる内容だと思います。第二次大戦のはじまる時代に、矢内原は、古典の一部だけを取りだして、それを歪めて引用し、暴力的思考を惹起する大組織への具体的な批判を行っています。
 
 
またこの「読書と著書」では、こんなことを書いています。
 
 
 私は少数の青年たちに古い書物の講義をして居るのである。第一に聖書、第二にアウグスチヌスの『神の国』、第三にアダム・スミスの『国富論』。
 
 現代の人が時局の下に萎縮してしまって、何も語らないか、或は奴隷の言葉を以てしか語らないか、或は偽り曲げた言葉を語る中にあって、古典は率直に、詳細に、真実を語ってくれる。しかもその語るところは現代の活きた現実に触れている。古典は我々に真理の永遠性を感ぜしめる。我々は古典を読んで、驚くほどに現代を知るのである。
 
 
すこぶるおもしろい随筆でした。興味を持たれましたら、全文を読んでみてください。
 
 

 
 
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 幼かった頃の夢想のことを、ゲーテは「黄金の空想よ」と記します。ゲーテの詩には、神話的なものと理知的なものが混在していて、これが魅力のように思います。ゲーテはゲルマン神話と、とくにギリシャ神話の影響が色濃いようです。
 この詩集は生田春月が翻訳をした作品です。ゲーテは政治家としても活躍し、かのナポレオンからも尊敬されていた作家で、その言葉を詩で楽しめるというのは、なんだか嬉しいように思います。

  

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