図書館の未来像 中井正一

今日は中井正一の「図書館の未来像」を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。 
 
  
戦時中に反ファシズム運動をやっていて特高に逮捕された、という経歴を持つ中井正一が、戦後に図書館の在り方について随筆を書いています。
 
 
中井正一は、民主主義というか資本主義のことも考えて、なるべく大衆に近いところにある書物文化のことを考察していたようで、こういうことを書いています。封建時代の図書館は「大衆へのサービスの機能は全然考えられていな」かった、と。それで、戦中戦後の貸本屋の人気ぶりについて、これをちょっとちゃんと考えてみようよと、記しています。「大衆サービスの読書機構」という言葉が印象に残りました。
 
 
文化や芸術として質の高いものを求めることも重大かも知れないけれども、サービスとしてなってないと、これはイカンよと、いうことを意識しました。遊びでも仕事でもなんでも、受け手のサービスとして、どうなんだというのがひとつの要点になっているのかもと思いました。
 
 
そういうことが、いまいちそんなに得意では無いのであれなんですが、たしかに自分が長いこと使ったり影響を受けているものは、サービスとしても質が高いものなんだよなあと、改めて思いました。ニコニコ動画なんて、サービスだけに特化していて、他にはとくになにも用意されていないのに大人気ですし。
 
 
現代の図書館は、じつにノーマルな、特徴の無い存在だと思うんですが、地方によっては、まったくの予想外の、とんでもなく豪華だったり変だったりするところがあるらしいんです。たとえばあのレンタルCD屋さんとして有名なツタヤが全部を管理運営している、公共図書館があるそうなんです。なにか歴史的な資料を廃棄処分してしまったことがあって問題もあるそうなんですが、エンターテイメントの本は充実しているはずで、近場にあったら使ってみたい気はします。
 
 
中井正一の以下の考察は、半世紀後のグーグルやwikipediaの到来をみごとに想起させるもので、かっこ良いなと思いました。

  文化類型がすでに巨大な機械時代の出現とともに、ちょうど為替機構が世界性を帯びるように、文献目録、リード様式も世界的規格統一が起こりつつあるのである(略)この歴史の流れに沿って、最も早くその体制をととのえつつあるのは、米国の議会図書館の行ないつつある組織……
 
 
こういう日本の、頭の良い人々が、熱心に反ファシズム運動を展開したにも関わらず、戦中の人民戦線は完全敗北に終わったという歴史は、考えてみればじつに怖ろしいことだと、思いました。
 
 
 
 

 
 
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 幼かった頃の夢想のことを、ゲーテは「黄金の空想よ」と記します。ゲーテの詩には、神話的なものと理知的なものが混在していて、これが魅力のように思います。ゲーテはゲルマン神話と、とくにギリシャ神話の影響が色濃いようです。
 この詩集は生田春月が翻訳をした作品です。ゲーテは政治家としても活躍し、かのナポレオンからも尊敬されていた作家で、その言葉を詩で楽しめるというのは、なんだか嬉しいように思います。

  

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