若き日の思い出 牧野富太郎

今日は牧野富太郎の「若き日の思い出」を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
 
 
牧野富太郎は植物学者です。これは、ごく短い随筆なんですけど、びっくりするようなことを書いています。19歳でふる里の佐川町(高知県)から、雨の石鎚山の山頂まで登って、帰ってきたという。調べてみると普通に踏破できるような距離や標高じゃ無いですよ。往復200キロ以上歩いて石鎚山のふもとに辿りついて、それから雨の中を山頂まで登ったんだそうです。装備もでたらめで、レインコートが無いどころか傘も持たずに、地図もなく、和服で行ってきたという。どんな体力なんだと思いました。それで、オオナンバンギセルを写生して帰ってきたのだという。ほかにも様々な地域を旅し、九州の最西端五島列島にもヘゴの調査旅行に出かけ、牧野富太郎はこう書きます。原文こうです。
 
 
  家にたてこもっている人ではとてもこの学問はできっこない。日に照らされ、風に吹かれ、雨に濡れそんな苦業を積んで初めていろいろの植物を覚えるのである。
 
 
これを書いたのはいったい何歳の頃なんだろうと思うんですが、さいご明らかになるんです。伊能忠敬とか芭蕉とか、とにかく歩いて歩いて歩きまくる学者が、古い日本の学問芸術を形づくってきたんだなあーと思いました。植物採集の随筆なのに、ゴールドラッシュの記録を読んでいるように迫力があるんです。
 
 
牧野富太郎は、江戸時代真っ只中の文久二年1862年の生まれなのに、ものすごく長生きしている。オチの数行がすごいんです。推理小説でもこういうビックリ感は出せないだろうと思いました。事実は小説よりも奇なり、と言うんですが、この随筆は驚きました。牧野富太郎の本をもっともっと読んでみたいなと思いました。
 
 

 
 
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 幼かった頃の夢想のことを、ゲーテは「黄金の空想よ」と記します。ゲーテの詩には、神話的なものと理知的なものが混在していて、これが魅力のように思います。ゲーテはゲルマン神話と、とくにギリシャ神話の影響が色濃いようです。
 この詩集は生田春月が翻訳をした作品です。ゲーテは政治家としても活躍し、かのナポレオンからも尊敬されていた作家で、その言葉を詩で楽しめるというのは、なんだか嬉しいように思います。

  

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