思い出す儘に 木暮理太郎

今日は木暮理太郎の「思い出す儘に」を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
 
 
ここ10日間くらい、図書館で借りてきた、現代哲学書を読んでいて、そこには哲学的な行き詰まりについて論じられているんですけど、ぼくはこの本を読んでいるわけなんですが、なんだか自分がここ5年間で大間違いしていたことの、その全容がなんとなく見えた気がしたんです。その哲学書では、序盤に、ものごとを誤認したあとの、さらなる哲学的な落とし穴のことがまず書いてあるんです。


なにか自分の考え方の矛盾にハッキリ気づいてしまって一元論的な世界観から出てゆかざるを得なくなったあとに、実体二元論とはまたちょっと違うんですが「知覚と実在の二元論」へと激しく誘惑されてしまったら、落とし穴に落ちて戻ってこれなくなるだけだ、そういうのはイカン、とその哲学書を読んでいて思ったんです。


そういう哲学に良くある落とし穴から、どうやって抜けだせば良いか、ということを書いた哲学書だったんですけど、中盤に「地図」の話しが登場する。地図には、自分のまなざしと、誰でも無いまなざしとが、問題なく共存をしていられる。「絶対的な真理のように見えてしまう落とし穴」に落ちなくて済むようになるために、地図と自分がどういうように関係していて機能しているかを、まずは見てゆけば良いだろう、という本で、まだぜんぜん読み終えてないので具体的にはまったく紹介できないんですけど、今これに夢中になっているところなんです。


とくに興味深かったのは、哲学的な誤謬から脱出するためには、複眼的なまなざし(視覚や、聴覚や、触覚や、味覚などで多角的に思考してみる)とか、無視点的なもの(地図など)とかから、ヒントを掴んでみよう、というところだったです。


この哲学書を読んでいて思ったのは、
 
(1) 乱数に支配された、デタラメに並べているだけのコンテンツの群れ
   (ゴミ箱内部のしっちゃかめっちゃか)
と、
(2) みんなが使える地図のように、数多のまなざしが共存できるコンテンツ
   (美味しい店の網羅リストやwikipediaみたいなもの)
は、
情報が沢山盛り込んであるので、いっけん似ているように思うんですけど、じったいはまったく違うなあ、と思ったんです。自分はどうも、こう地図制作のようにカッチリと学問ができないわけで、ちょっと気を抜くと、ファクトチェックの機能しないランダムなコンテンツしか作れない気がするんです。
 
 
それで、じゃあ哲学とは関係無いけど、じっさいの本物の地図を使っている人が、100年前とかに居ないかなと思って探したら、これを発見しました。


これは、登山家が地図のことを記している随筆なんです。普通の街の地図だったら、みんなもうほとんど間違いが無くなっていて、地図が使えなくって困ると言うことはあんまり無い。けれども危機的な地形の地図はやっぱり、読み間違いとか、書き間違いとかがあって、油断が出来ない。最新科学や喫緊の政治問題が計画的にゆかない、というのと似ているなと思いました。
 
 
このまえ、ある大学の専門家が「大学の専門家ほど信用できないものは無い」という冗談を言っていたんですが、つまりその専門家が、地図化できないような危機的な領域を扱っているということなんだなと思うんです。
 
 
木暮理太郎は著名な登山家なんです。詳しくはwikiを読んでみてください。地図にさえ細部が書き記されない道なき登山を書き記した、随筆です。登山のルートをなんとなく調べてみたら、約600キロを越える山岳登山でした。グーグル先生は「152時間の6日半で歩き終えられますよ」と書いていますが、ぜったい無理、と思いました。眠って休む時間を1日12時間とってもこの倍の13日ですけど、これも間違いで、登山の専門家でも丸30日かかってました。ぼくだったら300日かけても踏破できないです。
 
 

 
 
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 幼かった頃の夢想のことを、ゲーテは「黄金の空想よ」と記します。ゲーテの詩には、神話的なものと理知的なものが混在していて、これが魅力のように思います。ゲーテはゲルマン神話と、とくにギリシャ神話の影響が色濃いようです。
 この詩集は生田春月が翻訳をした作品です。ゲーテは政治家としても活躍し、かのナポレオンからも尊敬されていた作家で、その言葉を詩で楽しめるというのは、なんだか嬉しいように思います。

  

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