闇 小川未明

今日は小川未明の「闇」を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
 
 
これはとても短い童話なんです。おそらく、小川未明のファンであってもこの作品を記憶している人はごく稀だと思います。小川未明の代表作と言えば「赤い蝋燭と人魚」や「月夜とめがね」など、美しい作品があるのですが、これは……。
 
 
10秒で読み終えられるもので、ほとんどだれも知らない作品だと思うんですが、全体で8行あるので16ページの絵本にすることは出来る、絵があれば24ページくらいになるかもしれない童話です。真夜中になぜか親子で移動しなければならなくなっている。理由は判らない。
 
 
意識して読んでみると、どうも海沿いの山道のように思えてならない。月明かりさえ無い竹藪の中かもしれない。松林か、険しい岩場か、砂浜近くの道か、とにかく暗闇の中を歩いているんです。
 
 

 
 
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陰翳礼讃(6) 谷崎潤一郎

今日は谷崎潤一郎の「陰翳礼讃」その6を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
 
 
作中で1934年(昭和9年)やそれより前の時代の「わらんじや」という料亭の話しが出てくるんですが、調べてみると、この店は今も「わらじや」という店名で、現役で料理屋をやっているんですよ。このお店です。すごい、400年間も料理屋をやっていて今もやっている。
 
 
この随筆は、電気がやっと一般家庭にも入るようになってきた時代が描きだされています。谷崎潤一郎が店を訪れていた頃には、ろうそくの明かりで、鰻のぞうすいを食べていたという。映像にしたら、すこぶる美しいと思います。ソクーロフ監督の映画のような美が抽出されるんではないかと思います。かつてはそれが普通のことで、雅な薄闇のなかで、御馳走を食べていた。暗やみが美を司っていると、いう指摘がみごとだと思いました。谷崎潤一郎のように美しい文章を書ける人は他にいなのではないかと、思いました……。
 
 
燭台が照らしだす、薄明かりの中で見る漆器や陶器の色つやの深み……。とりわけ闇の中で用いられる、漆器の美や、手に伝わるあたたかさを描きだすんです。谷崎潤一郎の言っていることは、現代にも響いてくるように思えるんです。闇をみごとに捉える現代映画の、照明のありかたを、みごとに示唆しているようにも思いました。現代美術でも、パッと意味が判らない、闇の中で顔を見つめているような捉えどころの無い表現というのがある。その隠されたところにこそ、美がある。
 
 
谷崎潤一郎はこう記します。
 
 
  もしあの陰鬱な室内に漆器と云うものがなかったなら、蝋燭や燈明の醸し出す怪しい光りの夢の世界が、その灯のはためきが打っている夜の脈搏が、どんなに魅力を減殺されることであろう。まことにそれは、畳の上に幾すじもの小川が流れ、池水が湛えられている如く、一つの灯影を此処彼処に捉えて、細く、かそけく、ちらちらと伝えながら、夜そのものに蒔絵をしたような綾を織り出す。
 
 

 
 
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ハイネ詩集(6)

今日は生田春月訳の「ハインリヒ・ハイネ詩集」その6を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
 
 
19世紀のドイツとフランスを彩ったハイネの詩集のなかで、なんだか印象に残った詩の言葉がこうでした。
 
 
遠い遠い土地にゐる恋しい人よ
いつかはこの書物ほんがおまへの手にわたるだらう

すると歌はにはかにいきかへり
蒼ざめた文字はおまへを見るだらう
祈るやうにおまへの美しい眼を…………
……
 

 
 
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(リンク先間違ってました。修正しました……2017年8月16日18時03分)
 
 
 
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ベリンスキーの眼力 宮本百合子

今日は宮本百合子の「ベリンスキーの眼力」を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
 
 
新しい本を読んでみたいというときに、いつもやる方法は、誰が誰を推しているのか、をメモしてそれを元に、面白そうな古典を探してみる、というふうにしているんです。
 
 
この前メモしたのは、ボブ・ディランが若いころにどんな本を読んでいたか……という発言の切り抜きなんですけど、彼は「キップリングやバーナード・ショー、トーマス・マン、パール・バック、アルベール・カミュ、ヘミングウェイなど」を愛読してきたそうなんです。「私は幼い頃から」「このような」「人たちの作品に親しみ、愛読し、吸収し」そして「シェークスピア」と同じように「創造的な努力とともにあらゆる日常的な物事に追われ」つづけている、と発言しているんですよ。正確な文脈はこちらをご覧ください。


へええ、と思ってこんど読んでみようと思ってたんですけど、まだちっとも読めていないです。いっぱい居るんだなー、すごい文学者、と思いつつ、いつかこのメモをもとに古典文学を読んでみたいなと思っています。そう言えば、坂口安吾が大好きな作家の筆頭も「シエクスピア」なんです。
 
 
宮本百合子はシェークスピアを読み解くにあたって、ロシアの評論家ベリンスキーのまなざしを借りていて、これを批判的に思索している。
 
 
シェイクスピアは世界でいちばんの詩人かもしれない。その中でも『マクベス』こそが文学の最高峰かもしれない。そしてこの作家のもう一つの側面は、彼が野蛮な時代をじっと見つめたところにその最大の特徴があると、つまり魔女狩りが盛んに行われていた世界で、その次の時代を切り開いたのがシェイクスピアなのであると……。理性の誕生を、そこから目撃する……。理性の誕生。詳しくは本文をご覧ください。
 
 
えーと、ぼくはシェイクスピアがむつかしくてまだちっとも読めていないんですが、『マクベス』だけはいつか読んでみたいなあ……いつごろ読めるかなあ……と思っています。
 
 

 
 
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陰翳礼讃(5) 谷崎潤一郎

今日は谷崎潤一郎の「陰翳礼讃」その5を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
 
 
中国の紙と、西洋の紙と、日本の和紙はやっぱりちがう。和紙はただの実用品では無くって、すでにその紙単体であきらかに美を感じさせる何かがある……。ああ、そうだ紙の本のほうがぜんぜん良いのだと思うところは、モニターの画像とちがってきらめかないところなんだよなあ、とかモニターの文字を追いながら思いました。
 
 
現代の印刷物の奇妙なところは、モニターの画像を見ながら、紙の印刷物の仕上がりを予測しつつ作らなきゃいけないところで、これがぜんぜんモニター上と違う発色をする。もうこれは、映画と原作小説くらい、モニター画面と印刷物ってぜんぜんちがうんですよ。RGBからCMYKに変換する時も違ってくるし、とくに紙だと黒の発色がまったくちがってくる……。光る画面を見ない時代の、谷崎潤一郎によれば、ピカピカ光るのはもうぜんぜん美しく無いんだと。古色を帯びてくるのを、愛するんだと、言うんです。あーっ、そうだったそうだった、ついうっかり忘れていた、と思いながら読みました。
 
 
あの、十九世紀二十世紀初頭に海外に好まれたジャポニズムにどこか違和感があったのは、なんだか総天然色の派手な着物の色とかがヨーロッパに人気だったわけで、侘び寂びの色彩が伝わらなかったところにあるように思いました。
 
 
そういう日本の美の感覚がちゃんと伝わったのは、谷崎潤一郎の陰翳礼賛が、1955年以降にミシェルフーコーに愛読されたあたりからなんじゃなかろうかと思いました。谷崎潤一郎の言っていることは、紙の本の優れた装画にも、通底していることだなあと思いました。
 
 
手でよく触れられて、つやが生じ「なれ」てきたことが判る、その直接には見えてこない穏やかな時間の中に美を見いだす、という描写がすてきでした。
 
 

 
 
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ハイネ詩集(5)

今日は生田春月訳の「ハイネ詩集」その5を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
 
 
ハイネはゲーテの詩集を愛読したのだ……! ということが明らかに判る詩が記されていました。ゲーテは始めから終わりまで、そしてそののちもずっと偉大な詩人であり言論人であり続けたわけなんですが、ハイネはどうもそうじゃない。ハイネは政治的発言が原因で故郷を追放されたり、失意の中で詩を綴ったり、紆余曲折があるんですが……そのことが若き日の詩にもなんだか現れているような気がしました。
 
 
ゲーテの詩『あれ野の薔薇』と同時に読み比べてみると、なんだか面白いと思いました。
 
 
蒼ざめた花 というのが印象に残りました。
 
 

 
 
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原爆小景 原民喜

今日は原民喜の「原爆小景」を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
 
 
これは10ページほどの詩集で、前半部分は原爆投下時の爆心地が描きだされており、原民喜のもっとも有名な詩も含まれています。『水ヲ下サイ』と『永遠のみどり』に改めて衝撃を受けました。
 
 

 
 
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