痴人の愛(17〜18) 谷崎潤一郎

今日は谷崎潤一郎の「痴人の愛」その(17〜18)を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
 
 
痴人の愛は、1924年(大正13年)ごろに発表された作品なんですけど、今回とくに封建的な思潮と、谷崎潤一郎の先進的な思考がぶつかり合って、古いような新しいような、じつに不思議な章になっていました。谷崎は、若い妻の数々の不倫の顛末について描いているんですけど、純情で無くなった妻に対して抱く譲治という男の心理を詳らかに描いているんです。ナボコフのロリータが描かれたのが、「痴人の愛」のちょうど30年後の1955年です。時代と比較すると谷崎は圧倒的にアバンギャルドだったように思います。
 
 
江戸時代には趣味的な物語作品があまたにあったそうなんですが、谷崎の時代に、ほかにこれほど蠱惑的で趣味の色濃い物語を描いた人が居たんだろうか……と思いました。夫婦間の不和について描くときでさえも、甘美な描写が冴えるんです。ちょっと前後の文3ページくらい読まないと、文体が見えないんですが、本文こうです。
 
 
  …………私はいつも彼女に負けました。私が負けたと云うよりは、私の中にある獣性が彼女に征服されました。事実を云えば私は彼女をまだまだ信じる気にはなれない、にもかかわらず私の獣性は盲目的に彼女に降伏することをい、べてを捨てて妥協するようにさせてしまいます。
 
  
恋人同士の夫婦から、家族としての夫婦へと変化してゆくシーンが描かれてゆきます。
 
 

 
 
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 幼かった頃の夢想のことを、ゲーテは「黄金の空想よ」と記します。ゲーテの詩には、神話的なものと理知的なものが混在していて、これが魅力のように思います。ゲーテはゲルマン神話と、とくにギリシャ神話の影響が色濃いようです。
 この詩集は生田春月が翻訳をした作品です。ゲーテは政治家としても活躍し、かのナポレオンからも尊敬されていた作家で、その言葉を詩で楽しめるというのは、なんだか嬉しいように思います。

  

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