半分だけの物語 ヘンリー・ヴァン・ダイク 山田由香里 訳

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今日は山田由香里さんが新しく翻訳したヘンリー・ヴァン・ダイクの「半分だけの物語」前編を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
 
 
これは牧師で作家のヴァンダイクというかたが書いた、短編小説集なんです。原題はHalf told talesという作品で、今回翻訳家の山田由香里さんが全文翻訳を行ったものです。
 
 
動物が主人公の寓話もあれば、絵本の原作のような短編や、ギリシア神話のようなものや、ブラックジョークや、あるいは小咄のようなものもあって楽しめます。
 
 
ヴァンダイクは牧師さんで、教会で子どもたちに語るようなキリスト教の物語も書いているんです。米比戦争が起きる直前の1898年にですね、ヴァンダイクはこの戦争に反対し、このような話を残しています。
 
 
「もし私たちの国が、海外を征服する道に向かってしまうと言うのならば、我々はそう遠くない未来に1年につき1億8千万ドルもの大金を費やして戦争の準備をすることになる……。それならばわたしたちは、それだけの労力をかけて子どもたちを、平和へ歩ませるように教えてゆかねばならないでしょう」
 
 
この「半分だけの物語」は、議論を尽くして論理的な判断をする、といったシーンが多くてこれがおもしろいんですよ。これぞ20世紀初頭のアメリカ人の感覚なんだろうなあと思いました。正直に話し合う人たち、という印象が強いです。ちょっと教訓的なんです。なにか日本のことわざの世界観と共通するような物語が多いんですよ。「後悔先にたたず」とか「三人寄らば文殊の知恵」とか「人を呪わば穴2つ」とか、そういうことのひとつひとつを物語として成立させているようです。
 
 
「堤防」という短編があるんですけれど、これがぼくは今回一番印象に残りました。大雨によって、村にある川が氾濫しそうになっている。そこでどうするか。ほんとに正直な男が、自分の思ったとおりのことを言って自分の意見を通す。あとになって、自分がしなかったことについて後悔し、別の未来について考えている。
 
 

 
 
以下の「シンプル表示の縦書きテキスト」をご利用ください。(縦書きブラウザの使い方はこちら
https://akarinohon.com/migration/half_told_tales01.html
(約100頁 / ロード時間約30秒)
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 ここからは新サイトの「ゲーテ詩集」を紹介します。縦書き表示で読めますよ。
 幼かった頃の夢想のことを、ゲーテは「黄金の空想よ」と記します。ゲーテの詩には、神話的なものと理知的なものが混在していて、これが魅力のように思います。ゲーテはゲルマン神話と、とくにギリシャ神話の影響が色濃いようです。
 この詩集は生田春月が翻訳をした作品です。ゲーテは政治家としても活躍し、かのナポレオンからも尊敬されていた作家で、その言葉を詩で楽しめるというのは、なんだか嬉しいように思います。

  

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