ゲーテ詩集(44) 生田春月訳

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今日は生田春月訳のゲーテ詩集(44)を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
 
 
ゲーテは世界全体に対する肯定の意識がすごいなと思います。「適合」という詩が印象的です。ぱっと目に映るものとか、ふつうに存在しているものについて、そこにゲーテのまなざしが投じられると、それがにわかに輝きだすというかなんというか。ただの石ころのように見えていた原石が輝きだすというかんじで。
 
 
今日もちょっと、これを翻訳した生田春月の詩をひとつ紹介します。
 
 
魂の家    生田春月  (詩集・烏賊の象徴より)

月の夜は、光の布(き)れで
なめらかな象牙を磨き、
長い手をつくり、
圓い足をつくり、
露をそそぎ、
雪をそそぎ。

闇の夜は、漆、烏羽玉、
黒曜の石を刻んで、
瞳をつくり、
髪をつくり、
夢をそそぎ、
涙をそそぎ。

日たけなは、レンズのもとに
火の色の珊瑚を伐って、
唇をつくり、
心をつくり、
血をそそぎ。
愛をそそぎ。

わがもてる凡てをささげ
願ひをこめ、願ひをこめ、
魂の家をつくりて、
いま、身は寂し、
風となり、
翼となり。
 
 
 
 
ゲーテは詩集にこう記します。
 
 
  深遠な意味を気軽に言ふところに
  かうした贈物の価値はある


 

 
 
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 ここからは新サイトの「ゲーテ詩集」を紹介します。縦書き表示で読めますよ。
 幼かった頃の夢想のことを、ゲーテは「黄金の空想よ」と記します。ゲーテの詩には、神話的なものと理知的なものが混在していて、これが魅力のように思います。ゲーテはゲルマン神話と、とくにギリシャ神話の影響が色濃いようです。
 この詩集は生田春月が翻訳をした作品です。ゲーテは政治家としても活躍し、かのナポレオンからも尊敬されていた作家で、その言葉を詩で楽しめるというのは、なんだか嬉しいように思います。

  

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