ファウスト(36) ゲーテ

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今日はゲーテの「ファウスト」その(36)を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
 
 
前回、月光の光るエーゲ海(アイゲウス海)で、セイレエンや海の神たちが語らいあっていました。

 
ファウストは、第一部では少女マルガレエテとの恋愛が描かれていてかなり理解しやすい物語が展開していたのですが、後半になればなるほど難解な事態が描かれてきて、ギリシャ神話やゲーテの時代に親しんでいないとどうも難しいように思えます。ギリシャ神話もゲーテの時代もあまり知らないので、ほんとに五里霧中という感じでいま読んでいます。
 
 
お話しを振り返ってみると、第一部では老いたるファウストの目の前に悪魔メフィストフェレスが現れて、「もういちどやり直す力を得る代わりに、死後に魂を明け渡す」という契約をして主人公は魔女の秘薬で若返り、若返ったとたんにマルガレエテという素朴で無垢な少女に恋をして、悪魔の力を借りながらマルガレエテとすばらしい恋愛をしたというのが第一部の序盤中盤で描かれた物語です。


ここからはネタバレなので、事前情報無しに文学を読みたい方は読み飛ばしてもらいたいです。マルガレエテはキリスト教を信仰していて、主人公ファウストの背後にいる悪魔メフィストフェレスの危険性というのに気づいていて、兄が悪魔メフィストフェレスを妹から遠ざけようと努力していたとき、その兄が悪魔に倒されて運悪く亡くなってしまいます。
 
 
それからのマルガレエテは不幸続きで、さらに主人公は遠い田舎に引きこもっている頃に、ワルプルギスの夜という魔女たちの宴が開かれます。この宴に、魂を抜かれたようなマルガレエテのドッペルゲンガーが登場し、主人公ファウストがメフィストフェレスに問い詰めているうちに、マルガレエテがじつは牢獄に繋がれているという事実が判明したのです。これを馬に乗って救いに行った主人公ファウストなんですが、時すでに遅く、マルガレエテはもはや心を病んでおり、どこにも居ない赤ん坊を牢獄の中で育てようとしていたのでした。
 
 
それから正気に返ったマルガレエテは、妊娠した赤ん坊を殺してしまったという事実を告白します。主人公はなんとかマルガレエテを救いたいと思って牢獄から逃がそうとするのです。しかしマルガレエテは罪を裁かれてキリスト教を信仰し続けることのほうが重大であるという判断をします。これでファウストとマルガレエテの恋愛は完全に幕を閉じました。それから希望を失ったファウストがどのように生きるのかというのが第二部で描かれます。
 
 
ファウストは第二部でまず、草花咲ける野にて精霊やエルフたちと共に居ました。アリエルという空気の精霊が、歎きを受けた者に対して「あれが胸の————身を焼くやうに痛い、非難の矢を抜いて遣れ。これまでに受けた怖を除けて胸を浄めて遣れ」と告げます。苦を忘れさせるレエテの水で湯浴みさせてやれ、と精霊がいうのでした。それから悪魔メフィストフェレスは、マルガレエテを破滅させただけでなく、今度は殿様に破滅の政治を勧めるのでした。
 
 
「それぞれが心のままにしてみたいことをして、憂鬱を忘れて生きよ」と述べる望という神や、「怖れにも望みにもまどわされずに人々を歩ませる」という智の神など、神話上の人物が多数登場し、またあらゆるものを生む「母たち」という存在を知り、主人公ファウストはこの世でもっとも美しい女ヘレナに逢い、恋に落ちます。以上がこれまでの物語の概要です。恋多き人生を歩んできたゲーテらしい物語なんだなと思いました。
 
 
タレスというギリシアの哲学者が水の神々を目の前にして、こう語ります。

 己は真と美とが骨身に徹(こた)えて、
 盛んに嬉しくなって来た。
 何もかも水から出て来たのだ。
 何もかも水で持っているのだ。
 大洋。どうぞ己達のために永遠に働いていてくれ。
 
タレスは、海そのものに対して、「一番新しい性命を保たせてくれるのはお前だ」と告げます。
 
 

 
 
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 ここからは新サイトの「ゲーテ詩集」を紹介します。縦書き表示で読めますよ。
 幼かった頃の夢想のことを、ゲーテは「黄金の空想よ」と記します。ゲーテの詩には、神話的なものと理知的なものが混在していて、これが魅力のように思います。ゲーテはゲルマン神話と、とくにギリシャ神話の影響が色濃いようです。
 この詩集は生田春月が翻訳をした作品です。ゲーテは政治家としても活躍し、かのナポレオンからも尊敬されていた作家で、その言葉を詩で楽しめるというのは、なんだか嬉しいように思います。

  

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