食糧騒動について 与謝野晶子

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今日は与謝野晶子の「食糧騒動について」を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
 
 
与謝野晶子と言えば源氏物語の現代語訳や「みだれ髪」などが有名ですが、随筆も良いんですよ。wikipediaに載っていますが、1918年の大正7年8月にシベリア出兵があって、それから米騒動があるんですが、このことについてリアルタイムで与謝野晶子が批判しています。与謝野晶子は体験というのを重大視していて、机上の空論よりも自分が直面した問題から考え方を作りあげてゆくことを薦めるということを他の随筆で書いています。十五年戦争がはじまる手前の状況がどういうものだったのかが見えてくる内容でした。
 
 
戦争以外のところで、ものすごい困難があったんだと言うことが与謝野晶子によって明らかにされています。追いつめられた個人個人の、生きのこるための悪行については弁護せざるをえないが、生存を忘れた騒乱についてはいっさい認められず、赤面して恐懼するよりほかない、ということを述べています。
 
 
与謝野晶子は、教育の不行き届きをなげく教育者の考え方を否定します。むしろ国家がおしすすめた教育というものが、ひどい騒乱を生んだと記しています。原発問題や二十万人を超えた難民問題、社会保障が主要国の3分の1程度である現状においての被災保証の打ち切り、TPP参加による日本農業の危機などについて考えながら読んでいました。与謝野晶子は現代とは異なるかつての危機を、こう記します。
 
 
  ……これに備えて禍を未然に防ぐだけの時日は十分にあったのです。……(略)……決して今年に入って以来の現象ではなく、二年以前において既に何人にも目に余る事実であったのですが、政府当局者は常に楽観的大言を放って、在野の識者の忠告に耳をかさず……
 
 
与謝野晶子は恒常的な社会保障の枠組づくりと言うことを視野に入れて安定した社会の実現策を説いています。それから財産を持つ者たちによるセーフティーネット体制と言うことを説いています。
 
 
戦後日本の民主主義社会や、現代のオーストラリア・イギリス・フランスなどが実現している社会保障制度というところにまで、百年前の文筆家の視野が届いているというところがすごいです。
 
 

 
 
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 この詩集は生田春月が翻訳をした作品です。ゲーテは政治家としても活躍し、かのナポレオンからも尊敬されていた作家で、その言葉を詩で楽しめるというのは、なんだか嬉しいように思います。

  

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