海潮音(2) 上田敏

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今日は上田敏の海潮音その(2)を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
 
 
今回は、ルコント・ド・リールという一九世紀の詩人の詩です。フランス革命を生きた人で、ギリシャ神話にたいへんな興味を抱く人であったそうです。
 
 
黄金色に熟した麦畑。安らかな子どもたちの姿。怖れのきえさった、太陽のさす景色。ゆっくり読むと、そんなには難しくない文章で、意味が判らなくてもとりあえず読んでしまって、何回か読むと意味が染み込んでくるように思えました。原文はこうです。
 
 
唯熟したる麦の田は黄金海と連なりて、
かぎりも波の搖蕩に、眠るも鈍と嘲みがほ、
聖なる地の安らけき兒等(こら)の姿を見よやとて、
畏れ憚るけしき無く、日の觴(さかづき)を嚥(の)み干しぬ。 
 
 
むつかしい言葉を調べてみました。
 
 
かみさびる【神さびる】
こうごうしく見える。いかめしく厳粛である。かむさぶ。万葉集20「―・ぶる生駒高嶺に雲そたなびく」
年功を積んでいる。源氏物語槿「―・びにける年月の労ろう」
古びる。平家物語2「朱の玉墻―・びて、しめなはのみや残るらん」
広辞苑第五版より
 
 
くげん【苦患】
苦しみなやむこと。苦難。苦悩。
広辞苑第五版より

蓬け起つ
 
 
この詩の一節が印象にのこりました。
 
 
しわだむ象の一群よ、太しき脚の練歩(ねりあし)に、
うまれの里の野を捨てて、大沙原(おほすなばら)を横に行く。
 
 
しるべにたてる年嵩のてだれの象の全身は
「時」が噛みてし、刻みてし老樹の幹のごと、ひわれ
 
 
シルクロードの絵画を見たような印象でした。
 
 

 
 
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 幼かった頃の夢想のことを、ゲーテは「黄金の空想よ」と記します。ゲーテの詩には、神話的なものと理知的なものが混在していて、これが魅力のように思います。ゲーテはゲルマン神話と、とくにギリシャ神話の影響が色濃いようです。
 この詩集は生田春月が翻訳をした作品です。ゲーテは政治家としても活躍し、かのナポレオンからも尊敬されていた作家で、その言葉を詩で楽しめるというのは、なんだか嬉しいように思います。

  

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