文芸的な、余りに文芸的な 「ダンテ」 芥川龍之介

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今日は芥川龍之介の『文芸的な、余りに文芸的な』の第21章「ダンテ」の章を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
 
 
ダンテの神曲をちょうど読み終えて、それでダンテの晩年がどういうものだったのか、ちょっとグーグルで調べていたら、芥川龍之介がダンテの晩年について書いていたので紹介します。
 
 
煉獄篇の終わりは、自分にとって感銘を受けるものだったのですが、天堂篇というのがどうにも難しくて、キリスト教徒ではない自分が読んでも、やはりどうも感情移入できないと思っていたら、芥川龍之介がこういうことを書いていていたく納得しました。
 
 
  ダンテの達した天国は僕には多少退屈である。それは僕等は事実上地獄を歩いてゐる為であらうか? 或は又ダンテも浄罪界の外に登ることの出来なかつた為であらうか?……
 
 
天堂篇はやはり、キリスト教への信仰が無いと、むつかしいなあと言うのが、自分の感想です。自分は神曲の地獄篇のラストシーンに物語としての徹底的な迫力を感じましたし、魔王の背を登りきって世界が反転し、一気に地上に出るシーンでうなりましたし、地獄と煉獄を連れ添ってくれた師ウェルギリウスとの別れはじつに良かったですよ。地獄篇と煉獄篇のラストシーンはほんとに、全文学作品のなかでも至上のものだと思います。
 
 
芥川龍之介は、正宗白鳥の「ダンテ論」を読み解きつつ、ダンテ「神曲」の感想を書いているんですが、その作品に美というものがあったと、そこに関心を持ったと言うことを書いていて、それから、ゲーテの「若きウェルテルの悩み」や大作「ファウスト」におけるヒロインの原形となったとも推測されているフリーデリケの美しさ、可憐さと比べながら、ダンテもまた、永遠に女性的なるものへの夢を持っていたことを指摘しています。
 
 

 
 
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 幼かった頃の夢想のことを、ゲーテは「黄金の空想よ」と記します。ゲーテの詩には、神話的なものと理知的なものが混在していて、これが魅力のように思います。ゲーテはゲルマン神話と、とくにギリシャ神話の影響が色濃いようです。
 この詩集は生田春月が翻訳をした作品です。ゲーテは政治家としても活躍し、かのナポレオンからも尊敬されていた作家で、その言葉を詩で楽しめるというのは、なんだか嬉しいように思います。

  

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