小説家の俳句 萩原朔太郎

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今日は萩原朔太郎「小説家の俳句 俳人としての芥川龍之介と室生犀星」を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
 
 
最近、素人俳句に興味があって、中日新聞社がやっている「平和の俳句」というサイトがあって、これに何となく投稿をしています。興味のある方は、ぜひグーグルで「平和の俳句」と検索してみてください。ヘタなので僕は入選していないんですが、詠むのがとにかくおもしろいです。なにか、ネットで俳句教室に通っている気分にさえなれるんですよ。しかも、無料ですし。文学に興味のある方は、ぜひ検索してみてください。毎日更新されているのがまた良いんです。
 
 
それで、俳句を作るには、とにかく2つの法則を守れば良くて「5・7・5」の17文字で作れば良い。それからできれば季語を入れる。無季の俳句というのもあるので、季語が入らない場合もあって良いんですけど、やはり俳句と言えば、季語を入れることによって、自然界に共鳴する感情を描きだします。
 
 
季語というのはどういうのがあって、それぞれの季語がどういう意味を持つのかを、詳細に解説しているサイトがあるんです。「季語・歳時記 一覧検索」というサイトがあるので、これさえあれば、季語はほぼ全て調べることが出来ます。
 
 
それから、一流の文学者はどういう俳句を詠んだのか、こんかい萩原朔太郎の評論文を縦書き化してみました。近代詩の代表である萩原朔太郎は、あの芥川龍之介の俳句を、どうもこれはじつに良くない作品だと酷評しています。小説家の作った俳句のたいていは、
 
  彼等の俳句には、芭蕉や蕪村の専門俳人に見る如き、真の打ち込んだ文学的格闘がなく、作品の根柢に於けるヒユーマニズムの詩精神が殆んどない。

と厳しい評を書き、とくに芥川龍之介は、小説家としては最高の作品を残した偉大な文学者だが、俳句は全然ダメで「彼のあらゆる作品的欠点を無恥に曝露したものだ」と断じています。芥川龍之介の、駄作と言える俳句に、ひじょうに的確に、ものすごくするどい突っこみが入りまくっていて、読んでいてびっくりする評論文です。
 
 
萩原朔太郎は、芥川龍之介の駄作をとりあげて、文学では何に注意すべきかを論じています。偉大な小説の数々を残した芥川龍之介の、詩や俳句は「観察の細かさと技巧の凝り性をてらつた句で、末梢神経的な先鋭さはあるとしても、ポエヂイとしての真実な本質性がなく、やはり頭脳と才気と工夫だけで造花的に作つた句」であり、また「造花的の美術品で、真の詩がエスプリすべき生活的情感の生々しい熱意を欠いて」おり「生活がなくて趣味だけがあり、感情がなくて才気だけがあり、ポエヂイがなくて知性だけがあるやうな」ものなんだ、と書いています。
 
 
たしかに、芥川龍之介の小説は、生身の生や、登場人物の生活やその生活感情というのが前面に押し出されているもので、それと比べると、芥川の俳句にはどうもコラージュ的な装飾品っぽさがただよっています。なんだかラブホテルのゴージャスなデザイン、のような気配があるんですよ。彼は詩人たろうとして詩人たり得なかった、それが芥川龍之介という文学者の悲劇そのものであった、と萩原は評しています。
 
 
ちなみに、萩原朔太郎は芥川の全集にはたったの80句くらいしか俳句が無い、と書いていますが、これはじっさいには1100余句ほどあります。くわしくはこちらをご覧ください。
 
 
それで、じゃあ萩原朔太郎はどういうところを重大視しているのかというと、本文には、どのように高度な現場にあっても「本質には自然人的な野生や素朴をもつもの」が詩人なのだ、と書いていました。あっ、たしかに現代詩人を見てもそれはそうだ、と思いました。
 
 

 
 
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 ここからは新サイトの「ゲーテ詩集」を紹介します。縦書き表示で読めますよ。
 幼かった頃の夢想のことを、ゲーテは「黄金の空想よ」と記します。ゲーテの詩には、神話的なものと理知的なものが混在していて、これが魅力のように思います。ゲーテはゲルマン神話と、とくにギリシャ神話の影響が色濃いようです。
 この詩集は生田春月が翻訳をした作品です。ゲーテは政治家としても活躍し、かのナポレオンからも尊敬されていた作家で、その言葉を詩で楽しめるというのは、なんだか嬉しいように思います。

  

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