老人 リルケ

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今日は森林太郎訳でリルケの「老人」を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
 
 
このまえ「しわ」というアニメ映画をみて、この映画のファンになったんですけれどamazonのレビューも高評価で、やっぱり名作は誰が見ても、良いんだなあと思いました。それで自分は映画を見るのが好きなんですけれども、優れた小説を読むとたまに、ああこれだけは映画の表現ではどうやったって届かないな、という箇所を見つけることがあります。
 
 
中野重治という作家の随筆に、こういうことが記されています。
 
  だいたい僕は世のなかで素樸そぼくというものが一番いいものだと思っている。こいつは一番美しくて一番立派だ。こいつは僕を感動させる。こいつさえつかまえればと、そう僕は年中考えている。僕が何か芸術的な仕事をするとすれば、僕はただこいつを目がける。もちろんたいていは目がけるだけだが。…………(中野重治/素樸ということ/ちくま日本文学全集39より)
 
それで、この素朴ということがはっきりと描かれた小説は、いったいどこにあるんだろうといつも思っていたんですけど、ぼくは、このリルケの短編小説こそ、これにあてはまる、と思いました。
 
 
リルケの短編「老人」では、老いて眼が衰えてきて、視野のぜんたいが、何もかもおぼろげになってきた、という箇所は、これはまさに映画でより深く表現されうるものだろうと思うんですが、どうも動けなくなってきた老翁の内心や感覚までは、映画では再現できないわけで、リルケはその状況における人の心情をみごとに言葉で描きだしています。
 
 
偶然、手に入った花を、じつに丁寧に扱っている2人のおじいさんの姿が美しかったです。
 
 

 
 
こちらのリンクから全文読めます。(縦書きブラウザの使い方はこちら
http://akarinohon.com/center/rojin.html
(約10頁 / ロード時間約30秒)
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