坊っちゃん(10) 夏目漱石

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今日は夏目漱石の「坊っちゃん」その(10)を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
 
 
「坊っちゃん」は、次回の第11章で完結です。今回の10章では、ロシアと日露講和条約(ポーツマス条約)が結ばれたことを祝う、祝勝会が催されています。漱石はどうもそれを苦々しく考えている。物語上の生徒たちは、たんに軍歌とともに、さわいで喜んでいる。漱石の時代の中学校は、みな寡黙な子どもたちなのかと思い込んでいたのですが、この物語では、みながやたらとうるさい。主人公の考えを、漱石はこう書いています。
 
 
  ……謝罪だけはするが、いたずらは決してやめるものでない。よく考えてみると世の中はみんなこの生徒のようなものから成立しているかも知れない。
 
 
誰もがこう、生意気というかはげしく相手にぶつかってゆくようなところがあって、活気のあるキャラばかりなんです。「坊っちゃん」という物語には、ルールと倫理観、いたずらと罰、ということが物語のある箇所をしめています。主人公は、清おばあさんへの手紙をまた書きはじめようとして、やはりおばあさんに逢いに行くことのほうが重要だ、と思う。そこに山嵐が牛肉をもって遊びに来る。副校長の赤シャツというのはじつに許せんやつで、他人の遊びにはなんでもケチをつけるくせに、当人は陰で女遊びばかりしている。
 
 
他人の娯楽にケチをつける赤シャツは、たしかにじつに無粋だなと、読んでいて思いました。赤シャツが女遊びしている現場をつかまえて、うわっと、襲っちまえ、というのんで、山嵐は「天にかわっておしおきだ!」と言うのでありました。師範学校生徒たちとの大群衆の格闘シーンがあるんですが、そこでの主人公の口調が、じつに江戸っ子で、はぎれの良い文体でかっこ良かったです。
 
 

 
 
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 幼かった頃の夢想のことを、ゲーテは「黄金の空想よ」と記します。ゲーテの詩には、神話的なものと理知的なものが混在していて、これが魅力のように思います。ゲーテはゲルマン神話と、とくにギリシャ神話の影響が色濃いようです。
 この詩集は生田春月が翻訳をした作品です。ゲーテは政治家としても活躍し、かのナポレオンからも尊敬されていた作家で、その言葉を詩で楽しめるというのは、なんだか嬉しいように思います。

  

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