エタと非人と普通人 喜田貞吉

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今日は喜田貞吉の「エタと非人と普通人」を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
 
 
すみません。どうにも難しい内容の評論文なんですけれども、漱石の「吾輩は 猫である」の九章で「普通と異常」に関する議論が出てきたので、青空文庫で「普通」という言葉を検索していたら、この短い評論を発見して、読んでいました。wikipediaによれば、この作者の喜田貞吉きた さだきちという学者は、被差別部落研究の先駆者とも言われているらしいんです。ちょっと勉強不足で、今ひとつ知らない方なんですけれども。辞書によれば、第二次世界大戦が始まる年の1939年に、亡くなった評論家です。本作の内容は、差別を助長するものでは無いのですが、本文と題名には差別用語がありますので、この言葉を、不用意に使用しないようにご注意ください。
 
 
難しい内容なんで、近代思想史の専門家のブログに公開されている『喜田貞吉と部落史の〈起源〉』(『日本思想史研究会会報』20号、2003年。pp383~pp392)を併せて読んでみました。
 
 
作中で、差別を受けていた人々が、そこから位を変える方法がほとんどまったく無くて身分が世襲されていってしまった事実が記載されつつ、歴史を研究すると「エタと非人と普通民と、もとをただせばあえて区別のあるものではない」もので、民族や家業などもちろんかつては同じだったんだと、喜田貞吉は説いています。いわゆる社会的な地位を失ってプー太郎とかアンダーグラウンドな仕事をやるようになってから先、やり直しのきかない社会システムというのが当時のとくに徳川時代の権力者によって構築された、というのがこの近代の差別問題の正体だったのかなあー、と自分なりに考えました。
 
 
現代では、能力さえあればこう、優良企業で働けたり、流動性があるんですが……しかし不当に財産や仕事や地位を奪われた場合は、やり直しがとても難しい、というのは現代でも共通していると思いました。
 
 
喜田貞吉は、人のいやがる仕事を進んでやっていった彼らは、むしろ裕福な者も多かった、と記しています。
 
 

 
 
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 幼かった頃の夢想のことを、ゲーテは「黄金の空想よ」と記します。ゲーテの詩には、神話的なものと理知的なものが混在していて、これが魅力のように思います。ゲーテはゲルマン神話と、とくにギリシャ神話の影響が色濃いようです。
 この詩集は生田春月が翻訳をした作品です。ゲーテは政治家としても活躍し、かのナポレオンからも尊敬されていた作家で、その言葉を詩で楽しめるというのは、なんだか嬉しいように思います。

  

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