吾輩は猫である(10) 夏目漱石

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今日は夏目漱石の「吾輩は猫である」その(10)を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
 
 
「吾輩は猫である」は、次回の十一章で完結です。今回は、主人の家族がどのような暮らしぶりなのかを描いています。「坊ば」と「姉」と「すん子」と、おてつだいの「とん子」が、ごはんを食べるところが書かれています。

 
あ、ところで、芥川龍之介や、夏目漱石は、かなりどうどうと、盗作というか海外の作品を下敷きにしたというか、似たように書いているんです。それは盗みと言うよりも、なんというかオマージュというか、リスペクトというか、勝手な共同作業とでも言うのか、書き直しというか、そういうもんなんですが。書き直された作品の中で、いちばん素晴らしいのはやはり、芥川龍之介の「蜘蛛の糸」です。これが西洋の物語にそっくりで、しかし日本らしい物語に新しく完成していて、こういうのは、オマージュというか、原典が共鳴しているとでも言うのか、読んでみるとわかるんですが、びっくりするほど似ているんです。
 
 
ぼくは、ドストエフスキーの「カラマーゾフの兄弟」における「一本の葱」というのを読んで、これがほんとうに「蜘蛛の糸」という物語とぴたっと一致する物語なんです。こんなに物語同士が共鳴をするもんかと、驚いて感心したんです。wikipediaによれば、芥川龍之介はポール・ケーラスが書いた「カルマ」という作品を元にして、「蜘蛛の糸」を書いたそうです。wikiにはこう書いています。
 
 
蜘蛛の糸くものいと」は、芥川龍之介の短編小説。
・鈴木大拙による日本語訳「因果の小車」(ドイツの作家で宗教研究者ポール・ケーラス(英語)が1905年に書いた「カルマ」Karma: A Story of Buddhist Ethics)が典拠であることが明らかになっている。
・フョードル・ドストエフスキーが1890年に出版した長編小説「カラマーゾフの兄弟」における「1本の葱」の挿話に着想した作品であると考えられていた。

 
物語の原典になったものと新しい作品とがこう、みごとに相似するということがあるんですよ、これが。ほんとにドストエフスキーの「カラマーゾフの兄弟」における「一本の葱」という物語には、目からうろこが落ちるようなこう、たぶん最大の原典は、聖書のところにあるんでしょうけど、それがいろいろと人の手を伝って、あるいは、石器時代のはじまりのころに、地球上で全人類がきゅうに道具を使いはじめたみたいに、まったくピタッと一致したことをし始めると、言うことがあるんだなあーと思いました。
 
 
今回の章では、猫はもう、たんなる透明な話し手になっていて、主人の家族たちの、なんでもない日常が描きだされています。それから、主人に変な来客があるんです。学生たち3人が「金田の娘は生意気だ」というのんで、ウソの恋文を3人で一通書いて、これを名前入りで送りつけてしまった。いじめっ子がやりそうなことだなと思いました。出したあとに、もしかしてこれはマズいことになるかもしれないと、心配しているのがおもしろかったです。
 
 

 
 
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 この詩集は生田春月が翻訳をした作品です。ゲーテは政治家としても活躍し、かのナポレオンからも尊敬されていた作家で、その言葉を詩で楽しめるというのは、なんだか嬉しいように思います。

  

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