破戒(2) 島崎藤村

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今日は島崎藤村の『破戒』その(2)を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
 
  
第一章で、こういう記述がありました。
 
 
  新しい思想家でもあり戦士でもある猪子蓮太郎といふ人物が穢多の中から産れたといふ事実は、丑松の心に深い感動を与へた
 
 
丑松も猪子先生と同じ出身なんです。この小説で中心的にえがかれているのは、この問題についてです。島崎藤村は、執筆後にこの差別語の問題を重大視して、表現を変えたり、当事者である部落解放運動の全国水平社と話しあって、文章を変更しています。そうして藤村が没して何十年も経ったのちの1971年ごろから、この作品を初期の原稿のまま公開することを出版社が決めた、ということになっています。歴史的な検討が必要な差別や戦争に関する問題や論争は、現代社会でも起きていて、難解な問いが、「破戒」には記されていると思いました。
 
 
先生をやっている瀬川丑松が、軍隊式の規律を重んじる小学校の校長一派から、どうも追い出されそうな気配が、もう第二章からただよっているんです……。丑松が引っ越しをしたのも、その下宿で差別を目撃したのがきっかけです。丑松は、新しく来た文平という教師と古里がすこし近い、ということにさえ、不安を感じてしまうのでした。
 
 
漱石の「坊っちゃん」や、宮沢賢治の「猫の事務所」を想起させる章でした。
 
 
車夫と共に、町を歩いて引っ越してゆくという描写が、美しかったです。
 
 

 
 
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「破戒」登場人物表
 

 






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 ここからは新サイトの「ゲーテ詩集」を紹介します。縦書き表示で読めますよ。
 幼かった頃の夢想のことを、ゲーテは「黄金の空想よ」と記します。ゲーテの詩には、神話的なものと理知的なものが混在していて、これが魅力のように思います。ゲーテはゲルマン神話と、とくにギリシャ神話の影響が色濃いようです。
 この詩集は生田春月が翻訳をした作品です。ゲーテは政治家としても活躍し、かのナポレオンからも尊敬されていた作家で、その言葉を詩で楽しめるというのは、なんだか嬉しいように思います。

  

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