破戒(15) 島崎藤村

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今日は島崎藤村の『破戒』その(15)を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
 
 
丑松は、同朋への差別をまのあたりにしたことで悩みすぎ、対人恐怖症のようになってしまった。丑松は人々を避けて、静かな精舎に一人立ち入る。
 
 
もうほとんど、小学校の先生という感じがしないんですよ。ふつうに、こう悩んでいる男にしか見えない。丑松は、志保という女のことを考えている。それから丑松は、僧侶たちの読経を黙って見つめている。
 
 
この文章が、じつに印象に残りました。丑松はもう、とにかく黙ってしまっている。しかし、じっと見ているんです。見ることの楽しい、というのは、このような状況下に於いて、大変にリアルだなと思いました。原文はこうです。
 
  
  丁度丑松の座つたところは、永代読経として寄附の金高と姓名とを張出してある古壁の側、お志保も近くて、髪の香が心地よくかをりかゝる。提灯の影は花やかに本堂の夜の空気を照らして、一層その横顔を若々しくして見せた。何といふ親しげな有様だらう、あの省吾を背後うしろから抱いて、すこし微笑ほゝゑんで居る姉らしい姿は。斯う考へて、丑松はお志保の方を熟視みまもたびに、言ふに言はれぬ楽しさを覚えるのであつた。
 
  …………
  ……時々丑松は我を忘れて、熱心なひとみをお志保の横顔に注いだ。流石さすがに人目をはゞかつて見まい見まいと思ひ乍らも、つい見ると、仏壇の方を眺め入つたお志保の目付の若々しさ。不思議なことには、……(略)……
  何をお志保は考へたのだらう。何を感じたのだらう。何を思出したのだらう。う丑松は推量した。
 
 

 
 
こちらのリンクから全文読めます。(縦書きブラウザの使い方はこちら
http://akarinohon.com/center/hakai15.html
(約30頁 / ロード時間約30秒)
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「破戒」登場人物表
 

 




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