風と光と二十の私と 坂口安吾

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今日は坂口安吾の『風と光と二十の私と』を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
 
 
坂口安吾が、幼い頃に出会った奇妙な人びとのことを描いています。この文章が印象に残りました。
 
 
  本当に可愛いい子供は悪い子供の中にいる。子供はみんな可愛いいものだが、本当の美しい魂は悪い子供がもっているので、あたたかい思いや郷愁をもっている。こういう子供に無理に頭の痛くなる勉強を強いることはないので、その温い心や郷愁の念を…………
  ………………
  第一、字が書けないということはとがむべきことではない。要は魂の問題だ。………………
 
 
牛飼いの子であるとか、恋に夢中な幼子であるとか、奇形や乱暴や、あるいは蛇を殺す若者であるとか、愚直な子どもたちへの敬愛を感じる随筆です。ぼくはいろんな人物像を混同しちゃうところがあるんですが、坂口安吾のこの、人物の明確な書き分けの、その秀逸さに舌を巻きました。自然界への描写も鮮やかなんです。こういうのです。
 
  
  私はそのころ太陽というものに生命を感じていた。私はふりそそぐ陽射しの中に無数の光りかがやく泡、エーテルの波を見ることができたものだ。私は青空と光を眺めるだけで、もう幸福であった。麦畑を渡る風と光の香気の中で、私は至高の歓喜を感じていた。
  雨の日は雨の一粒一粒の中にも、嵐の日は狂い叫ぶその音の中にも私はなつかしい命を見つめることができた。樹々の葉にも、鳥にも、虫にも、そしてあの流れる雲にも、私は常に私の心と語り合う親しい命を感じつづけていた。
 
 

 
 
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 幼かった頃の夢想のことを、ゲーテは「黄金の空想よ」と記します。ゲーテの詩には、神話的なものと理知的なものが混在していて、これが魅力のように思います。ゲーテはゲルマン神話と、とくにギリシャ神話の影響が色濃いようです。
 この詩集は生田春月が翻訳をした作品です。ゲーテは政治家としても活躍し、かのナポレオンからも尊敬されていた作家で、その言葉を詩で楽しめるというのは、なんだか嬉しいように思います。

  

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