破戒(22) 島崎藤村

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今日は島崎藤村の『破戒』その(22)を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
 
 
破戒は次回で完結です。お志保の家はもはや崩れてしまった。銀之助は、丑松とお志保の縁がどうなっているかを今一度聞きに来た。
 
 
お志保は、差別主義者が丑松の悪口を繰り返し言うのを、聞いてきた、と告げるんです。しかし丑松を慕う気持ちは消えなかった。銀之助はこの状況を「ただ素性が違うだけで、どうして仕事を捨てさせられるような、こんな残酷なことになったのか」と言うんです。お志保は冷静で、出自のちがいなんてまったく関係無くって、丑松にただただ思いを持っている、とはっきり言う。部落から来た丑松は、もはやどこにも居場所がないと誤認しているわけなんですけど、周りは意外とそう考えていない、という展開は、これは現実にもある話だなと思いました。
 
 
物語のつなぎ役である銀之助はなにかこう、事情が判ってもさいごまで天然ボケっぽいところが無くならないのが、なんとも言えずに奇妙なんですが、丑松の悩みは現代でも理解可能なもので、仕事も失いそうなのに、どうやって異性との繋がりを求めることなどが出来るのか、ということなんです。しかし、そのような境遇であってもお志保は以前と変わらずに丑松を慕うと、どうどうと言っている。じゃあ一緒になれば良いじゃないかと、銀之助は勢い込んでいる。丑松は後にこの話を聞いた。丑松には、アメリカへの新しい暮らしの可能性も示唆された。あのー高村光太郎という詩人は、1906年にニューヨークの美術学校に留学しています。1900年初頭ゴールドラッシュ時代のテキサス行きは果たして、百年後の現代と比べて希望の持てるところかじつにギリギリなところだと思うんですが。そのあたりはまた、後に決めるとして、丑松は村を出る決意を固めた。
 
 
猪子連太郎先生への描写はやはり、ぜひ原文で読んでみてください。
 
 

 
 
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「破戒」登場人物表
 

 






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 幼かった頃の夢想のことを、ゲーテは「黄金の空想よ」と記します。ゲーテの詩には、神話的なものと理知的なものが混在していて、これが魅力のように思います。ゲーテはゲルマン神話と、とくにギリシャ神話の影響が色濃いようです。
 この詩集は生田春月が翻訳をした作品です。ゲーテは政治家としても活躍し、かのナポレオンからも尊敬されていた作家で、その言葉を詩で楽しめるというのは、なんだか嬉しいように思います。

  

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