レ・ミゼラブル(7) ユーゴー

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今日はビクトル・ユーゴーの『レ・ミゼラブル 第一部 ファンティーヌ』
『第七編 シャンマティユー事件』を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
 
 
前回、マドレーヌ氏の謎を追った部下のジャヴェルが、奇妙な事実を述べてゆきました。
それは市長のマドレーヌ氏が、じつは生まれついての泥棒であるジャン・バルジャンではないのか、という内容です。ジャン・バルジャンは姿をくらましいったい何者になったのか、ということが中心になって語られてゆくのです。


ジャン・バルジャンは市長になったのか。
それとも老いてからふたたび林檎を盗んだ泥棒なのか。


ジャン・バルジャンはミリエル司教から「正直に生きてゆくように」と言って渡された銀の燭台を握りしめてからのち、姿をくらませていて、そうして何十年もたってから、林檎を盗んだ罪で再び裁判にかけられようとしているようなのです。ところが、泥棒であるジャンらしき男は「私はジャンではない。シャンだ」と言って、とぼけ続けているようである。


ジャンと、老人シャンの共通点はというと、状況や名前の響きが似ているんです。
マドレーヌ氏とジャン・バルジャンは、状況がかなり違う。かたや市長であり、かたや泥棒です。それから名前も違う。しかし、人格はかなり似ていると言っていいと思います。かりに元泥棒が善いことをして生まれ変わろうと思ったら、屋根裏部屋に住む貧乏人の家の中に無断で立ち入って金貨を置いていったりすると思います。マドレーヌ氏には、どうしても常人には理解しがたい子どもじみた奇行が残っているんです。


ミリエルという猛烈な性善説を説く司教と、生まれついての泥棒ジャンが一緒になったら、たぶんマドレーヌ氏のような人間になる。馬車とがれきに埋もれた老人が、じつはツーロンの元囚人だったと知ったとたんに、青ざめながら一人で助けようとしたのも、納得がゆくんですよ。そこに自分が埋もれていたように思うからです。じゃあやっぱりマドレーヌ氏がジャン・バルジャンなのか。もしそうなら、マドレーヌ氏はこれからどうするつもりなのか。


ある死刑囚が牢獄の中で本を読む機会を得て、周囲からの期待に応えるように小説家になったという史実があるのですが、このレ・ミゼラブルという物語も人は状況次第で変わる、ということが書いてあるように思います。それでマドレーヌ氏はいろいろと状況を変えようと奮闘しているのだと思います。状況次第で変わるというよりも、人との出会いによって大きく変わっているのかもしれません。
 



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 幼かった頃の夢想のことを、ゲーテは「黄金の空想よ」と記します。ゲーテの詩には、神話的なものと理知的なものが混在していて、これが魅力のように思います。ゲーテはゲルマン神話と、とくにギリシャ神話の影響が色濃いようです。
 この詩集は生田春月が翻訳をした作品です。ゲーテは政治家としても活躍し、かのナポレオンからも尊敬されていた作家で、その言葉を詩で楽しめるというのは、なんだか嬉しいように思います。

  

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