門(9) 夏目漱石

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今日は夏目漱石の『門』その9を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
 
 
金の懐中時計を盗んだ泥棒は、これを上手く処分して金にできなかったので、なんとなく返却しにわざわざ犯行現場に戻ってきて、盗品を黙って返していった、というんです。その謎はいったいなんなんだ、と思うんですが、盗みに入られた坂井は、まあ良かったとしか思っていない。ずいぶんゆっくりとした時代なんです。
 
 
坂井は裕福な道楽者で、骨董品が好きなんですが、つい先日金に困って宗助が売り払った抱一の屏風を、知らぬ間にこの崖の上の坂井が買い取っていた。なんだかこう、いろんな品物が右から左へ、右へ左へと受け渡されていってるのが滑稽なんです。
 
 
もしかすると、島崎藤村の書いた「破戒」の設定が、想定外に漱石の「坊っちゃん」に似ていたり、正岡子規のやっていた趣味のことを漱石が小説に書いていたり、その辺の文学黎明期の妙について描いているような気がしました。
 
 
そういえば、この小説の題名も、他人にランダムに決めさせたものなんだし、なんだかこう、モノや関係が入れかわって移動してゆくところを、漱石が描こうとしているようなんです。さらには、かなり年下の弟なんだけど、まるで養子みたいな状態の小六が家に居る。漱石は、幼い頃に、育ての親が2回も入れかわっておるんですが、そこで体験した不可思議について、今回この小説で描いているんだと思います。
 
 
作中に登場するインヴァネスというのは、こういう洋服のことです。
 
 

 
 
こちらのリンクから全文読めます。(縦書きブラウザの使い方はこちら
http://akarinohon.com/center/mon09.html
(約30頁 / ロード時間約30秒)
iPadやノートPCなどに対応した、シンプル表示の縦書きテキスト版はこちら   (横書きはこちら)
 

 




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