メデューサの首 小酒井不木

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今日は小酒井不木の「メデューサの首」を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
 
 
今回のはかなりこう、怖気のする怪談なんです。なぜ2016年というこの年に、小酒井不木を読むのかと、ひどいチョイスのような気がしてならないんですが、この作家が気になりすぎて、また読んでみました。
 
 
娯楽小説は江戸時代に盛んだったはずで、しかし現代語の小説で言うと、直木三十五の1924年ごろの作品や29年〜31年あたりの作品がその始まりだと思うんですが、小酒井不木はそれよりもちょっとだけ早いですよ。3年早く、1921年(大正10)あたりから若者向けの探偵小説を書きはじめています。
 
 
小酒井不木は、ロンドンの留学中に病にかかってしまい、体調不良によって働くことが困難になって、時間が出来たので子ども向けの小説を書きはじめたようなんです。漱石に経歴がちょっとだけ似てます。不木はそれで、少年向けの推理小説をたくさん書いたそうです。この前人未踏の活動によって、結果的に後進の江戸川乱歩とかの大人気小説の数々が誕生したようですよ。小酒井不木作品は、娯楽小説の原石で、出発点なんじゃなかろうか、とか思いつつ読みました。
 
 
潔癖で恋人の居ない、独り身の女の話なんですけど、ギョッとする場面があるんですよ。不木は病によって外で働けなくなったわけですから、その病気というものにものすごいこだわりがあるようで、この描写が、ゾクゾクする不気味さを醸成しています。
 
 
不木はこの小説で、身体がいっきに汚れてしまったという恐怖を描いているんです。これが、ふわーっ、と叫びたくなるような不気味さでした。それからいちおう推理小説らしき、意外なトリックというのもあるんですよ。
 
 
結婚することの出来なかった一人者の、不気味な妄想というのが……こわかったです。自分の身体に異変が起きるという怪談が、どうしてもいま読みたいねん、という奇特なかた以外は、読まないほうが良いんじゃないかと思いました。不気味なハナシなんで。オチの一文がこう、忘れがたかったです。次回はイギリス人作家の怪談をちょっと紹介してみます。次はなかなか良いのを見つけたんです。
 
 

 
 
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 幼かった頃の夢想のことを、ゲーテは「黄金の空想よ」と記します。ゲーテの詩には、神話的なものと理知的なものが混在していて、これが魅力のように思います。ゲーテはゲルマン神話と、とくにギリシャ神話の影響が色濃いようです。
 この詩集は生田春月が翻訳をした作品です。ゲーテは政治家としても活躍し、かのナポレオンからも尊敬されていた作家で、その言葉を詩で楽しめるというのは、なんだか嬉しいように思います。

  

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