門(12) 夏目漱石

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今日は夏目漱石の『門』その12を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
 
 
今回の門が、他の「三四郎」や「それから」とどうも異なっているのは、状況の二面性というか、二つの起点に立っているところが特徴なんじゃなかろうかと思いました。三四郎にも「それから」の代助にも、自分の立場が一箇所にしか無いんですけど、この小説の宗助はどうもこう、二つの状況の内部を生きているように思えます。妻が病に臥しているときに、自分は役所で静かに働いているとか、良くあるといえば良くある状況なんですが。
 
 
宗助は心配になって、昼休み中に、職場からわざわざ家に帰ってきて、妻の様子をうかがっている。本来なら職場にいる時間に、家に入ると、皆が皆、寝静まっていたというのが、なんともいえない雰囲気を醸成しているんです。
 
 
あの、今回の章はお薦めなので、「門」全文を読む気になれないけど、どういう小説か知ってみたい方は、この十二章だけでも読んでみると、この小説の魅力はかなり判るんじゃないかと思います。ほんの五分くらいで読み終えられますよ。
 
 
あまりにも長い時間眠り続けている御米を心配して、宗助はふたたび医者を呼んだ。医者にかかる、という描写もなんだか、自分の存在を他者にまるごと預けてしまっているような、奇妙なものに思えてくるのが不思議でした。なんだか、この第十二章だけを独立して存在させても、短編の純文学小説として完成しているような気がしました。「夢十夜」に繋がるような物語でした。
 
 

 
 
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 ここからは新サイトの「ゲーテ詩集」を紹介します。縦書き表示で読めますよ。
 幼かった頃の夢想のことを、ゲーテは「黄金の空想よ」と記します。ゲーテの詩には、神話的なものと理知的なものが混在していて、これが魅力のように思います。ゲーテはゲルマン神話と、とくにギリシャ神話の影響が色濃いようです。
 この詩集は生田春月が翻訳をした作品です。ゲーテは政治家としても活躍し、かのナポレオンからも尊敬されていた作家で、その言葉を詩で楽しめるというのは、なんだか嬉しいように思います。

  

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