門(19) 夏目漱石

FavoriteLoadingお気に入りに追加

今日は夏目漱石の『門』その19を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
 
 
宗助は、いったん仏門に入った……という展開が続くんです。これは別の小説なんじゃないか、というくらいこれまでと雰囲気が違うんです。もしかすると、漱石自身がこの頃に一挙に人生観が変わっちゃったんじゃあるまいか、『門』における全くべつのヴァージョンも、御米と宗助とその親友3人の△関係だけの物語もあり得たんじゃないか。漱石の『明暗』における絶筆の先が、当然存在すべきだったように、『門』にもじつは、仏門をくぐらない物語がほんとにありえたんじゃないのか、とか思いつつ、この仏門版を読んでいました。
 
 
小説は、展開が2バージョンくらいあっても良いと思うんだけどなあ、と良く思うんですよ。なんでも実験されてきた近代現代小説ですけど、展開が2種類という、映画では良くあるそれが、有名な小説にはけっこう無いなと思います。
 
 
あ、宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』はまさに、2つのまったく異なる展開が(正確には4つ)あるんですけど、そういうの、読みたいなあーと思いました。
 
 
しかし考えてみれば、たしかに宗助は、とつぜん禅寺で修行したくなるような元凶や動機や心情がたしかに、あったなと、思うんです。漱石はそこら辺を計算に入れて、前半部分を書いてたんだろうなあーと、納得させられる描写があります。宗助が無趣味なところとか、欲が少ないところであるとか、仕事はとつぜん休んじゃう性格だとか、悩ましい過去であるとか。いかにも禅宗や仏教に興味を持ちそうなんです。
 
 
宗助は、とりあえずの仏門のなかで、修行する自己への違和感を抱いている。これ次の章いったいどう展開するんだろう、と思いつつ読み終えました。
 
 

 
 
こちらのリンクから全文読めます。(縦書きブラウザの使い方はこちら
http://akarinohon.com/center/mon19.html
(約30頁 / ロード時間約30秒)
iPadやノートPCなどに対応した、シンプル表示の縦書きテキスト版はこちら   (横書きはこちら)
 

 




top pageへ ・図書館リンク ・本屋マップ ○名作選





Similar Posts:

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です