門(19) 夏目漱石

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今日は夏目漱石の『門』その19を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
 
 
宗助は、いったん仏門に入った……という展開が続くんです。これは別の小説なんじゃないか、というくらいこれまでと雰囲気が違うんです。もしかすると、漱石自身がこの頃に一挙に人生観が変わっちゃったんじゃあるまいか、『門』における全くべつのヴァージョンも、御米と宗助とその親友3人の△関係だけの物語もあり得たんじゃないか。漱石の『明暗』における絶筆の先が、当然存在すべきだったように、『門』にもじつは、仏門をくぐらない物語がほんとにありえたんじゃないのか、とか思いつつ、この仏門版を読んでいました。
 
 
小説は、展開が2バージョンくらいあっても良いと思うんだけどなあ、と良く思うんですよ。なんでも実験されてきた近代現代小説ですけど、展開が2種類という、映画では良くあるそれが、有名な小説にはけっこう無いなと思います。
 
 
あ、宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』はまさに、2つのまったく異なる展開が(正確には4つ)あるんですけど、そういうの、読みたいなあーと思いました。
 
 
しかし考えてみれば、たしかに宗助は、とつぜん禅寺で修行したくなるような元凶や動機や心情がたしかに、あったなと、思うんです。漱石はそこら辺を計算に入れて、前半部分を書いてたんだろうなあーと、納得させられる描写があります。宗助が無趣味なところとか、欲が少ないところであるとか、仕事はとつぜん休んじゃう性格だとか、悩ましい過去であるとか。いかにも禅宗や仏教に興味を持ちそうなんです。
 
 
宗助は、とりあえずの仏門のなかで、修行する自己への違和感を抱いている。これ次の章いったいどう展開するんだろう、と思いつつ読み終えました。
 
 

 
 
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 幼かった頃の夢想のことを、ゲーテは「黄金の空想よ」と記します。ゲーテの詩には、神話的なものと理知的なものが混在していて、これが魅力のように思います。ゲーテはゲルマン神話と、とくにギリシャ神話の影響が色濃いようです。
 この詩集は生田春月が翻訳をした作品です。ゲーテは政治家としても活躍し、かのナポレオンからも尊敬されていた作家で、その言葉を詩で楽しめるというのは、なんだか嬉しいように思います。

  

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