陰翳礼讃(11) 谷崎潤一郎

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今日は谷崎潤一郎の「陰翳礼讃」その11を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
 
 
100年前あるいは数百年前の能における照明は、どうも今よりもはるかに暗かったらしい。Youtubeで能を調べてみると、現代では舞台のすみずみまで光に包まれていて、陰がいっさい無く、まるで金箔で彩られた日本画のように作られています。本来なら姿が見えないはずの、笛、小鼓、大鼓、太鼓といった囃子の人々の顔にまで仔細に光を当てているんです。
 
 
野外でやる能でもやはり全体に均一に光をあてて、陰翳を除外している。
 
 
よくよく調べてみると、谷崎潤一郎が述べているような、陰翳に包まれた、ほとんど見えない能の舞台というのも、現在にやはりあるんですよ。この 能「鉄輪」 という動画では、なにもかもが陰翳に包まれているんです。シテの顔も、着物と闇に隠されている。囃子の服装も暗く、陰翳に溶け込んだ色彩になっている。
 
 
そもそも能では、登場人物の表情が完全に闇に隠されている。風景も暗闇に隠されている。陰翳に隠される現実世界の夜と、同じ構造がある。
 
 
谷崎潤一郎は、能と歌舞伎と文楽を比較して、こう書いています。
 
 
  大阪の通人に聞いた話に、文楽の人形浄瑠璃では明治になってからも久しくランプを使っていたものだが、その時分の方が今より遙かに餘情に富んでいたと云う。
 
 
谷崎は暗がりに包まれた能の舞台について……「能に附き纏うそう云う暗さと、そこから生ずる美しさとは、今日でこそ舞台の上でしか見られない特殊な陰翳の世界であるが、昔はあれがさほど実生活とかけ離れたものではなかったであろう」と記します。
 
 

 
 
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