陰翳礼讃(15) 谷崎潤一郎

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今日は谷崎潤一郎の「陰翳礼讃」その15を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
 
 
陰翳礼讃は次回で完結です。えーと、この本は1933年(昭和8年)から翌年にかけて掲載された作品なんですが、その頃からなんと、日本は欧州よりも、アメリカの真似をしてしまう性質があることが、谷崎潤一郎によって指摘されているんです。それは、夜の町並みを電灯で明るくしてしまうという、ところに現れている。
 
 
ネオンの耀く日本の現代都市に比べて、パリでは21世紀にも古き町並みが中心にある。そういうアメリカ的な日本の美観はじつはもう昭和初期、20世紀初頭から日本に成立しかけていたんだなあ、と思いました。1930年ごろから、日本でネオンサインが流行しはじめた、とこの本に書いています。
 
 
アインシュタインは1922年(大正11年)に来日しているわけなんですが、その頃からもう、日本は電灯で明るくしすぎる性質を持っていた。お寺の夜間ライトアップってつい最近できた方法かと思っていたら、なんと1930年の谷崎潤一郎もこれを体験してしまっている。陰翳を礼賛する谷崎はちょっとこれに怒っているわけであります。youtube映像公開、Facebookページ運営、電話受付と最新技術を駆使しているこのお寺は、昔からハイテクだったんです。
 
 
1930年の京都のホテルにも谷崎は「電気つけすぎ。明るくしすぎ」と文句を言っているんですが、これを読んでいて、なんだか中国は山東省にあった不夜城というのをイメージしました。日本人の感覚として、あの不夜城がなにかどうも好きらしい。谷崎はそれに異を唱えるんであります。宿の照明は、明るすぎて暑苦しすぎて、悲哀さえ感じる、と言うんです。明るさに出くわすことを、「悲哀につかる」と谷崎は書くんです。悲哀につかる!
 
 
谷崎潤一郎はこう記します。
 
 
  ……だから私は、自分の家で四方の雨戸を開け放って、真っ暗な中に蚊帳を吊ってころがっているのが涼をれる最上の法だと心得ている。
 
 

 
 
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 幼かった頃の夢想のことを、ゲーテは「黄金の空想よ」と記します。ゲーテの詩には、神話的なものと理知的なものが混在していて、これが魅力のように思います。ゲーテはゲルマン神話と、とくにギリシャ神話の影響が色濃いようです。
 この詩集は生田春月が翻訳をした作品です。ゲーテは政治家としても活躍し、かのナポレオンからも尊敬されていた作家で、その言葉を詩で楽しめるというのは、なんだか嬉しいように思います。

  

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